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《元KAT-TUN田中聖と“ケンカ”で対戦》なぜ人は朝倉未来に熱狂するのか? 卓越した勝負脳と「ブレない生き方」に迫る 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byRIZIN FF Susumu Nagao

posted2021/11/20 11:02

《元KAT-TUN田中聖と“ケンカ”で対戦》なぜ人は朝倉未来に熱狂するのか? 卓越した勝負脳と「ブレない生き方」に迫る<Number Web> photograph by RIZIN FF Susumu Nagao

2020年の大晦日、『RIZIN.26』で弥益ドミネーター聡志にKOで勝利した直後の朝倉未来。11月20日の『朝倉未来にストリートファイトで勝ったら1000万円』では後藤真希の弟で元タレントの後藤祐樹や元KAT-TUNの田中聖と戦う

 この日は朝倉が活動の拠点とするRIZINの沖縄大会が開催される。『~勝ったら1000万円』が発表されたとき、RIZINとのバッティングは避けられないと思われたが、今月上旬RIZINの榊原信行CEOは「モラルハザードが起きたら間違える。何かあったときに話し合う気持ちを持つべき」とABEMA側と接触。『~勝ったら1000万円』での朝倉の登場は、RIZINが終わる午後9時以降に調整したことを打ち明けた。RIZINは格闘技、ABEMAはストリートファイトと趣旨は異なるが、朝倉が主役となると事情は違ってくる。それだけ影響力があるということの裏返しか。

ストリート時代と地続きの「ブレない生き方」

 かつて格闘技界のヒーローといえば、活動拠点はひとつに限られていた。魔裟斗はK-1WORLD MAXを軸としたK-1系以外のリングに上がることはなかった。ところが最近は一点集中から脱却する傾向がある。来年4月2日にホームであるRISEでキックボクサーとしての引退試合を行なう那須川天心は、RISEとRIZINを行き来する形でキャリアを積み重ねた。

 その那須川とたびたびYouTube上でコラボしている朝倉も、RIZINだけではなく『~勝ったら1000万円』などの番組での場外戦、あるいは『BREAKING DOWN』などの大会の発案者と、活動の幅をどんどん広げている。

 つまり純粋にファイトするだけではなく、ストリートファイト出身というキャリアから発生したタレント性を最大限に引き出したうえで勝負している。むろんそのやり方や生き方に異論も挙がるが、朝倉にとってそんなことは百も承知なのだろう。他人から何を言われようと、自分が思った通りに行動する。その姿勢は中学校で上級生に噛み付き、ストリートで腕を鳴らした時代と何ら変わっていない。

 そういったブレない生き方が若者を中心とする支持者を熱狂させているのではないか。朝倉未来とは何者なのか。その答えはまだ定まっていない。未来は、まだまだ先に広がっている。

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