格闘技PRESSBACK NUMBER
《元KAT-TUN田中聖と“ケンカ”で対戦》なぜ人は朝倉未来に熱狂するのか? 卓越した勝負脳と「ブレない生き方」に迫る
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2021/11/20 11:02
2020年の大晦日、『RIZIN.26』で弥益ドミネーター聡志にKOで勝利した直後の朝倉未来。11月20日の『朝倉未来にストリートファイトで勝ったら1000万円』では後藤真希の弟で元タレントの後藤祐樹や元KAT-TUNの田中聖と戦う
では、なぜ朝倉は海とともに表舞台にシフトチェンジすることができたのか。それは幼少の頃から父親の薦めでやっていた空手や相撲のベースがあったからと推測される。自宅でも、父親の指導のもとハードな鍛練を続けていたことも影響していると思われる。
それだけではない。この兄弟には学校の偏差値では計れない勝負脳が備わっている。勝つためにはどうしたらいいのか。その分析に長けていたのだ。
2019年7月には『RIZIN.17』で第5代修斗環太平洋ライト級王者の矢地祐介と対戦。矢地に一度もテイクダウンを許さず、終始打撃でプレッシャーをかけ、試合終了間際にダウンを奪って勝利を収めた一戦は朝倉の真骨頂といえるだろう。闇雲にパンチを振り回しているわけでは決してなく、むしろ冷静沈着な戦いでここまで勝ち上がってきた。
YouTuberとして大成功、若者たちのカリスマに
もうひとつ朝倉の大きな特色を挙げるとするならば、自己プロデュース力に長けているということか。2019年5月に開設したYouTubeチャンネルは登録者数が200万人を突破した。中でも朝倉自身がぼったくりバーに潜入した動画は、再生回数2400万回を超える大ヒットとなっている。
YouTubeだけではない。2020年3月には無名の格闘家志望の若者に対して朝倉が指導して育成するという『朝倉未来 1年チャレンジ』という企画をスタート。さらに1分で勝負を決する『BREAKING DOWN』なる大会を考案。すでに2回ほど大会を開催しており、第1回大会には元UFCファイターの菊野克紀、第2回大会には先代時津風親方(元前頭時津海)が参戦した。
そして今月20日には、ABEMA PPV ONLINE LIVEにて『朝倉未来にストリートファイトで勝ったら1000万円』が生配信される。対戦相手は“会津伝説の喧嘩屋”、有名タレントの弟、現役のキックの日本王者、そして人気アイドルグループの元メンバーと話題に事欠かない顔触れが揃った。