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「もうダメです」ロッテ小島和哉を救った“美馬さん”の優しい言葉とは?《3年目の覚醒》にあった葛藤と涙

posted2021/11/19 11:02

 
「もうダメです」ロッテ小島和哉を救った“美馬さん”の優しい言葉とは?《3年目の覚醒》にあった葛藤と涙<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

チーム唯一となる10勝を挙げるなど、大きな飛躍を遂げた小島和哉(25歳)。来季はエースとしての活躍が期待される

「もうダメです」

 ふと呟いてしまった一言から人生は大きく変わった。ZOZOマリンスタジアムのウェートルーム。小島和哉投手はトレーニングメニューをこなしながらも、どこか上の空でいた。

 開幕から先発としてローテーション入りしながらも、なかなか波に乗れない日々が続いていた。8月25日のファイターズ戦(札幌ドーム)、9月3日のファイターズ戦(ZOZOマリンスタジアム)。直近の2試合はいずれも4回3分の1で途中交代。中6日という間隔をあけて満を持して登板をする先発投手としては、5回を投げ切れずにベンチに下がることはあまりにも悔しく、辛い事だった。だから思わず、心の底からの想いが口から飛び出た。

「次の登板でダメだったら、二軍に落ちる。自分の中ではそう思って落ち込んでいました。元々、マイナス思考なので、どんどん自分を追い込んで、へこんでいた」

 小島は当時の心境を語る。ウェートルームには同じく先発ローテを担う美馬学投手がいた。肩を落とし、ため息をつきながら練習をこなす小島に優しく声をかけてくれた。

「攻めの気持ちが大事だと思う」

「もっと楽しんで投げた方がいいんじゃない? 一軍で先発を任されているのは6人しかいない。その1人を任されているんだから、もっと喜んで投げた方がいい。打たれたら打たれたで仕方がないこと。ダメなら練習をすればいいじゃん。打たれたらどうしようではなくて、攻めの気持ちが大事だと思う」

 東北楽天ゴールデンイーグルス時代の2013年には日本シリーズMVPになるなど、輝かしい実績を持つ先輩の語りかけるような優しい言葉がその時、スッと小島の胸に入ってきた。重かった気持ちがどこかに消え、沸々と前向きな感情が湧いてきた。

 そこからだった。

 次回登板の9月11日、イーグルス戦に向けてガムシャラに動き出した。

【次ページ】 データを見直し、佐々木朗希からも刺激

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