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セ優勝を逃した阪神、36年ぶり日本一へ揃う《3つの数字》とは? CS初戦の先発・高橋遥人は対巨人戦の防御率「0.00」
text by
豊島和男Kazuo Toyoshima
photograph byKYODO
posted2021/11/05 17:02
CSファーストステージ初戦の阪神先発は高橋遥人。プロ初完封を含め、今季巨人戦では2試合16回を投げて24奪三振・無失点と好成績を残している
開幕4番の大山悠輔は終盤に調子を崩して10月18日を最後に中軸からも外れた。今季は4番として93試合に出場。一方のヤクルトの村上宗隆は全143試合で4番に座った。打線を支える大黒柱の差も際立った。
敵の猛追に屈した阪神・矢野燿大監督も攻撃力の差を肌で感じていた。
「外国人2人(サンタナとオスナ)が入って、打線の厚みが出た。打線のいいチームだったけど、それで若手、ベテラン、中堅がバランスよくガチッと固まったという部分もある。後半グッと上がったというのが、その総合力というのは打線が元々良かったところにプラスアルファされて、投手陣全体が上がったというのは見ていてもあるなと思っていた」
1985年以来、36年ぶりの日本一を目指す上では攻撃力アップが大きな課題であることは明確。ただし、阪神最大の武器は投手力である。目前に控える短期決戦では最大限に手持ちの武器を生かした戦いをすれば道は開けるはずだ。
巨人戦での勝利へ揃う好データ
第一関門となるCSファーストステージでは巨人と激突する。第1戦の先発は高橋遥人。今季、巨人戦では2試合に先発して1勝ながら16回を投げて24奪三振で防御率0.00と圧倒的な成績を残している。
一方の巨人の先発は菅野智之。今季の阪神戦は3試合で1勝1敗、防御率2.53。スタメン出場が濃厚な近本光司は対戦打率.500、中野拓夢.300、糸原健斗.333、ロハス・ジュニア.333、坂本誠志郎.667といずれも好成績を誇っているだけに苦手意識は一切ないとみられる。
先手必勝のCSファーストステージにおいて、先発投手の相性では有利な条件が揃う。
さらに、ファーストステージは第1戦、第2戦ともに甲子園を舞台にデーゲームで開催されることも後押しになる。今季デーゲームの成績は27勝8敗3分け。開幕から球界タイ記録の16連勝を飾るなどデーゲームに強いことは証明済み。一方、巨人はデーゲームで19勝16敗7分け。今季は宿敵に対して14年ぶりにシーズンの勝ち越しを決めるなど、突破へ向けた好データは揃っている。