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セ優勝を逃した阪神、36年ぶり日本一へ揃う《3つの数字》とは? CS初戦の先発・高橋遥人は対巨人戦の防御率「0.00」
posted2021/11/05 17:02
text by
豊島和男Kazuo Toyoshima
photograph by
KYODO
新たな戦いがまもなく始まる。セ、パ・リーグともに11月6日からクライマックスシリーズ(以下、CS)のファーストステージが開幕。最終ステージとなる日本シリーズにつながる注目の決戦だ。2勝したチームはファイナルステージに進み、当然ながら2敗したチームは2021年のシーズンが完全に終わる。
惜しくも16年ぶりのセ・リーグ制覇を逃した阪神だが、2014年以来となる7年ぶりの大舞台へ鼻息が荒い。
まずは阪神のレギュラーシーズンの激闘を振り返る。スタートダッシュに大成功した阪神は好調を長期間キープ。開幕カードとなった3月26日からのヤクルト3連戦(神宮)を見事に3連勝で飾って一気に加速した。その後もシーズン中盤まで首位を堅持。終盤に突入した9月22日には19日ぶりに2位に陥落したものの、最後の最後まで熾烈(しれつ)な優勝争いを展開した。
最終的にその座をヤクルトに譲ったが、12球団最多となる堂々の77勝を挙げて56敗10分けで勝率.579でフィニッシュ。一方、セを制したヤクルトは73勝52敗18分けで勝率.584だった。両チームとも貯金21でゲーム差はなし。阪神は勝利数でヤクルトを上回りながらも、わずかな勝率差で敗れた。
命運を左右した「9月の戦い」
ヤクルトはシーズン終盤に怒濤(どとう)の追い上げを繰り広げたことは記憶に新しい。9月の月間成績は13勝8敗5分けで勝率.619、10月は13勝7敗2分けで勝率.650。一方の阪神は9月が10勝9敗4分けで勝率.526、10月は12勝5敗3分けで勝率.706だった。ファンにとってはヤクルトの勢いが印象深いものの、決して阪神も失速はしていなかった。
ただ、両チームの命運を大きく左右したのが9月の戦いだった。阪神の月間打率は.227、防御率は4.06。ヤクルトは打率.257、防御率2.58を誇った。投打の好不調の差が響いて形勢が逆転。
10月の阪神は打率.244ながら、防御率1.63と低迷が続いた攻撃陣を投手陣がカバー。一方のヤクルトは打率.237、防御率3.34と苦しみながらも月間勝率.650に踏みとどまって耐えた。
レギュラーシーズンを通して比較しても、チーム防御率3.48、打率.254、得点数625、失点数531のヤクルトに対して、阪神は防御率3.30、打率.247、得点数541、失点数508の数字が物語るように打力の差があったといえる。