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《天皇賞・秋》ハイレベルGIで「3強」に割って入る馬が? それでも本命コントレイルの“2つの理由”「1つはコース適性。もう1つは…」
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKYODO
posted2021/10/30 11:01
追い切りでも絶好の動きを見せていたコントレイル。「3強」に割って入る馬がいるとすれば…?
矢作師「完成されるのは4歳秋以降で…」
もうひとつ。矢作調教師は、ジャパンカップからプラス16kgの472kgだった大阪杯の馬体重に関して、「当時は太く感じなかった」とコメントしているが、この馬のベストより重かったのかもしれない。今回は、ダービーと同じ460kgか、462kgくらいで出てくると思われる。
さらに言うなら、アリストテレスに終始マークされて厳しいレースとなった菊花賞のあと、ジャパンカップでも激闘を演じた疲れが、大阪杯のときは、目に見えない形で残っていたのかもしれない。
それらがすべて解消され、本来のコントレイルのパフォーマンスを発揮できる状態になっている。
ダービー前に取材したときから、矢作調教師は、「完成されるのは4歳秋以降で、そのときには2000mがベストになっているような気がする」と話していた。
このレースとジャパンカップで引退することが決まっているだけに、お釣りのない仕上げで、本来の走りを見せてくれるはずだ。
「3階級制覇」を狙うグランアレグリア
スプリントGI、マイルGIにつづく、史上初の「3階級制覇」を狙うグランアレグリア(牝5歳、父ディープインパクト、美浦・藤沢和雄厩舎)も必勝態勢だ。
年明け初戦の大阪杯では4着に敗れたが、つづくヴィクトリアマイルを圧勝してGI5勝目をマーク。そこから中2週で臨んだ安田記念では2着に敗れたものの、「負けて強し」の走りを見せてくれた。
秋天で史上最多の6勝を誇る伯楽も、来年2月一杯で定年となるため、これが最後の秋天となる。大阪杯の敗因が、重馬場だったのか、距離だったのか微妙なところではあるが、ワンターンに近い府中の2000mなら、マイル戦で見せてきた圧倒的な力を発揮できるかもしれない。