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《天皇賞・秋》ハイレベルGIで「3強」に割って入る馬が? それでも本命コントレイルの“2つの理由”「1つはコース適性。もう1つは…」
posted2021/10/30 11:01
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
KYODO
無敗の三冠馬か、3階級制覇を狙う女傑か、それとも若き皐月賞馬か。
中距離王者を決める第164回天皇賞・秋(10月31日、東京芝2000m、3歳以上GI)は「三強」の争いと見られている。
「極端なことを言えば、コントレイルはダートでも強い」
「三強」の筆頭として挙げるべきは、昨年、史上3頭目の無敗の三冠馬となったコントレイル(牡4歳、父ディープインパクト、栗東・矢作芳人厩舎)だろう。
実績からして、この馬の強さをあらためて説明する必要はないと思われるが、それでも、東京コースでの素晴らしいパフォーマンスについては強調しておきたい。一昨年の秋の東京スポーツ杯2歳ステークスでは、鞍上のライアン・ムーアが最後まで強く追ったからでもあったが、2着を5馬身突き放してレコードで圧勝。
昨年の日本ダービーでは、最後の直線、追い出しを待つ余裕を見せ、2着のサリオスを3馬身突き放した。そして、古馬との初対決となったジャパンカップでは、最強馬アーモンドアイの2着となっている。
どこで走っても強いのだが、東京では特に安定している。
レイパパレに5馬身近く離された3着に終わった大阪杯の敗因は、ディープ産駒が苦手とする重馬場だと言われている。確かに、バゴ産駒などに比べると、良馬場からのパフォーマンスの落ち方は大きいかもしれない。それでも、このクラスになると、どんな馬場状態でもそれなりに力を出してくる(現に大阪杯で3着を確保した)し、極端なことを言えば、コントレイルなら、ダートでも強いはずだ。
私見ではあるが、コントレイルの場合、道悪がこたえたというより、あれほど悪化した馬場が「初めて」だったがゆえに上手く走れなかったのだと思う。頭がよく、学習能力の高い馬なので、次に重馬場を走ることがあれば、大阪杯のときほどノメることはなくなるだろう。