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《メッシとロナウド不在の寂しさ》カメラマンが見たクラシコの新風景 17歳ガビや仲良しバルサ&レアルサポ、殊勲ビニシウスへの“罵倒”
posted2021/10/26 17:01
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
ラ・リーガやヨーロッパサッカーの試合撮影を精力的に行っている現地在住の日本人フォトグラファー中島大介氏。そのオリジナル写真を定期的に掲載している。
今回はエル・クラシコ。永遠のライバルであるバルセロナとレアル・マドリーの対戦は全世界が注目してきたが、新型コロナウイルス禍で2020-21シーズンは無観客試合を強いられた。メッシらが去ったものの、観客が戻ったカンプノウはどのような雰囲気だったのか――写真とともに記してもらった。
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10月24日、バルサのホーム、カンプノウで行われたクラシコの撮影に赴きました。
ここ10年ほどバルサvsマドリーを撮影している自分にとっては、初めてのメッシもロナウドもいないクラシコでしたが、試合は日曜日の16時15分キックオフ、晴天のもとに8万6000人超の観客が集まりました。
バルサ、マドリー双方のファンが交流していた
新型コロナウイルス、メッシ退団などの影響で、クラシコといえどもスタジアムは埋まらないのではないか――と戦前には言われていましたが、観光客がまだ戻りきっていない中、カンプノウにはたくさんの観客が集まりました。
久々の有観客でのクラシコということもあってか、試合開始前にはバルサ、マドリー双方のファンが楽しげに交流していたのが印象的でした。ソシオなどでチケットが売り切れなかったことにより、普段なかなか入れないようなファンや、通常よりもマドリーファンも多かったのかもしれません。
そして撮影ポジションの前では、マドリーのアップが行われました。感覚ですが、通常より、ズバズバと良いコースにシュートが決まっているように感じました。ベンゼマやアラバのシュートにゴール裏のバルサファンから感嘆の声が出るほどでした。その様子をスマートフォンで写真を撮る数多くのファンがいたのも印象的でした。
試合直前の両チーム入場では、スタジアムは青と赤のモザイクで埋まりました。またバックスタンド側には大きな横断幕がはられていて、クラシコのムードを盛り上げていました。
デヨングvsモドリッチの豪華なバトル
キックオフから最初にペナルティエリアに侵入したのは、バルサのアンス・ファティでしたが、ボールに届くことはできませんでした。そこからバルサのデヨング、マドリーのモドリッチと両チームのゲームメーカー同士が早くもぶつかり合う場面も生まれました。
ホームで大きなサポートを受けるバルサが、やや敵陣でのプレーを展開する中、マドリーは左ウイングのビニシウスが、DFラインの裏をつこうと窺うシーンが見受けられました。バルサの最終ラインを任されるエリック・ガルシア、ミンゲサの間を突いたところで、ミンゲサの手がかかって倒されたように見えたものの、笛は鳴らず、プレーは続けられました。