その一方で、先発投手ではなく、救援投手が先発する「オープナー」の是非についても、あらためて論議されるようになった。ワールドシリーズ連覇を狙うドジャースが、ジャイアンツとのディビジョンシリーズ最終戦ではクローザーにシャーザーを投入し成功したものの、ブレーブス相手のリーグチャンピオンシップシリーズ第1戦では4回に2失点。最終的にサヨナラ負けを喫したこともあり、賛否が分かれることになった。

先発投手のあるべき姿とは

　地元紙の取材に対し、サイ・ヤング賞3回のシャーザーが、「これは野球が求められている姿だろうか。これを公式戦で見たいかと聞かれたら、僕の答えはノーだ。先発投手が先発して長く投げることが、あるべき姿だ」と本音を語るなど、依然として「奇策」のイメージは残っているものの、採用する首脳陣は多い。救援陣だけで継投する「ブルペンゲーム」も定着するなど、メジャーの戦術にセオリーはなくなってきた。

　短期決戦とはいえ、ワールドシリーズ制覇まで最大19試合（ワイルドカードからは20試合）を戦うポストシーズン。負ければ終わりの一戦もあれば、シリーズごとの戦術も必要となるだけに、今後も投手起用が勝敗のポイントになることに変わりはない。

　ちなみに、2017年のア・リーグチャンピオンシップシリーズ第2戦で、アストロズのジャスティン・バーランダーがヤンキース相手に1失点勝利を収めて以来、完投した投手は出ていない。