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“育成のソフトバンク”がまたもお宝を発見? 投手歴はわずか2年半の瀧本将生(18歳)はなぜ指名されたのか《育成11位》 

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高木遊

高木遊Yu Takagi

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posted2021/10/13 17:02

“育成のソフトバンク”がまたもお宝を発見? 投手歴はわずか2年半の瀧本将生(18歳)はなぜ指名されたのか《育成11位》<Number Web> photograph by Yu Takagi

ソフトバンクに育成ドラフト11位で指名された市立松戸高校・瀧本将生。身長181センチ、体重78キロ

 高校進学にあたっては、外野手として県大会上位に入るような強豪私学からもいくつか声は掛かっていたが、唯一投手として評価し、指導者としての熱量を感じたという朝隈智雄監督率いる市立松戸に入学した。

 朝隈監督は投手経験すら無かった瀧本をなぜ投手として見ていたのか?

「期待はかなりしていました。入ってきた時は体重が60キロくらいしかなくて細かったですし、手足の長い投手ゆえのバランスの悪さはありました。でも走り方も良かったですし、骨盤の使い方が良くていいなと思いました」

 朝隈監督は国立千葉大学教育学部のスポーツ科学課程を卒業しており、科学的アプローチを多く用いて選手を育成。その中で瀧本に投手の適性を見出し、月2回のラプソードでの投球測定で現状を可視化することやペンタゴンバーなど最新の機材を使ったトレーニングなどで成長を促した。

 また、投手経験が少なかったため「たくさん失敗させる」ということも大切にした。例えば、チーム内で競争させて勝ったら練習試合の登板機会を与えるのではなく、土曜か日曜の練習試合に5イニング投げさせると決めたら、たとえ何点取られてもマウンドに立たせた。

2年秋からエース、こだわった「球質」

 こうしてトレーニングと経験を多く積むことを重視してきた瀧本は、1年秋から公式戦に登板するようになり、2年秋の新チームからはエースとなった。しかし2年の秋の県大会で木更津総合と対戦し0対7のコールド負けを喫し、力の無さを痛感。一方で年内最後の練習試合では学法石川(福島)を相手に好投するなど課題と収穫それぞれを得て冬を迎えた。

 一番の課題に置いたのは球質の向上だ。ラプソードでの解析や伊藤大海(日本ハム)らのピッチングフォームをYouTubeで観ること、論文の要約を研究するなど頭もフルに活用した。

 すると、最速で143キロを計測するようになった。春の県大会では力強さの増したストレートにより、縦のスライダーもより威力を増した。県大会初戦の松戸馬橋戦で3安打1失点14奪三振の完投勝利を挙げるなど公式戦でも結果を残した。

【次ページ】 「まだ100のうち60くらいしか」

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