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西武は繰り上げ1位~4位まで左投手ズラリ、“打てない”中日1位は慶大のバットマン…ドラフト全指名予想【西武・中日・ホークス編】
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKYODO
posted2021/10/10 11:02
ドラフト目玉候補の隅田知一郎投手(22歳・西日本工業大・177cm75kg)
ホークス2位は大阪桐蔭の大型左腕
夢を描ける選手を獲ってこい! そんな指令が出ているのかと思わせるソフトバンク・ドラフトだから、2位も大型左腕・松浦慶斗(大阪桐蔭高)でよい。
大型左腕なのに、ぎこちなさやアンバランスさがない。練習量と成長率が正比例するタイプだろう。スピードが出にくい握りで投げているのに、コンスタントに145キロ前後。そこだって、ものすごい「夢」だ。
育成選手も含めて、多士済々の外野陣だが、この選手のバイタリティーなら、太刀打ちできるのではないか。
3位・前田銀治(三島南高)は馬力と突進力がすばらしい。野球はまだまだ上手ではないが、振り抜こうとする意欲、前に進もうとする意欲は、見る者の胸を打つ。一方で、ボールを長く見て、インサイドアウトのスイング軌道でライト方向へ大きく運べるバッティングの「筋」は極めて真っ当なものだ。
今宮健太の後継というのは、簡単な問題ではないだろうが、キラリと光る「遊撃手」は毎年獲得しておきたいものだ。そこで、4位に粟飯原龍之介(東京学館高)を押さえた。鳥谷敬(千葉ロッテ)の高校時代が、こんな感じだった。50m5秒台なら鳥谷より速い。パンチ力があって、ファイティングスピリット旺盛な遊撃手だ。
東北福祉大には、プロ仕様の投手がいったい何人いるのか?
5位・大竹風雅(東北福祉大)は高校時代、セカンドを守って、控え投手だった。大学では故障続きで実戦の舞台をあまり踏んでいないので、聞かない名前……隠し玉だ。それでも、速球のえげつなさなら、広島1位指名のエース・椋木蓮以上と評する人もいる。
6位・田中怜利ハモンド(帝京五高)の「投手」との出会いもすごい。帝京五高・小林昭則監督が、東京のボーイズリーグを見に行って、外野の控えをしていた田中選手の遠投を見て、ピン!と来たと聞いた。高校入学してからの「田中投手」に、2年ちょっとで140キロを投げさせた小林監督の指導力もたいしたものだが、田中投手自身の秘めた才能も、やはり「夢」を描けるレベルなのかもしれない。<続く>
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