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「トミヤスは新しいサニャ」空中戦勝率87.5%… 冨安健洋の“陸空デュエル”がプレミアでも圧倒的《一流SBと比較》 

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三重野翔大

三重野翔大Shodai Mieno

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photograph byAP/AFLO

posted2021/10/01 17:05

「トミヤスは新しいサニャ」空中戦勝率87.5%… 冨安健洋の“陸空デュエル”がプレミアでも圧倒的《一流SBと比較》<Number Web> photograph by AP/AFLO

レギロンとの空中戦にも何ら臆さない冨安健洋。プレミアの各SBと比べてみても、3試合のスタッツは素晴らしい

左が攻撃的なティアニー、右の冨安は組み立て+守備

 トッテナム戦のように4-2-3-1と3-4-3の可変システムをミケル・アルテタが好んでいるのであれば、攻撃面よりも守備での安定感が第一だ。全体のバランスを考えると、左にキーラン・ティアニーがいる限りは右に置きたいのは、ビルドアップにも貢献できる“守備のスペシャリスト”。そして今の冨安はそれを上手く体現できている。

 ちなみに空中戦に話を戻すと、過去に誰がサイドバックで空中戦を得意としていたのか。直近10シーズンごとに、サイドバックの最多勝利選手を列挙してみる。チーム名は当時。こちらは勝利回数/空中戦勝率で並べている。

 2020-21
 ダーネル・ファーロング(ウェストブロミッジ/WBA)
 101/54.90%
 2019-20
 マット・ドハーティ(ウォルバーハンプトン)
 127/58.00%
 2018-19
 マット・ドハーティ(ウォルバーハンプトン)
 145/58.50%
 2017-18
 クレイグ・ドーソン(WBA)
 68/69.40%
 2016-17
 クレイグ・ドーソン(WBA)
 119/59.50%
 2015-16
 クレイグ・ドーソン(WBA)
 118/62.40%
 2014-15
 ブラニスラフ・イバノビッチ(チェルシー)
 99/59.30%
 2013-14
 ブラニスラフ・イバノビッチ(チェルシー)
 115/68.50%
 バカリ・サニャ(アーセナル)
 115/67.30%
 2012-13
 バカリ・サニャ(アーセナル)
 69/69.00%
 パトリス・エブラ(マンチェスター・U)
 69/62.20%
 2011-12
 バカリ・サニャ(アーセナル)
 55/70.50%

 直近では2018-19から2シーズンにわたってマット・ドハーティ(現トッテナム)が最多勝利回数を記録。ウルブスでは主にウイングバックとして、サイドで推進力を発揮していたアイルランド人DF。守備面でのインテンシティの高さは、空中戦にも表れている。

 その前は3季連続でクレイグ・ドーソンがトップを占めている。ワトフォードや現在のウェストハムではセンターバックとしてプレーしているが、WBAのトニー・ピューリス元監督は彼を右サイドバックとして重用した。

 ピューリスも「必要な時に高さをもたらしてくれる」と空中戦の強さに期待しての起用だったようだ。2016-17シーズンのWBAvsアーセナルで、コーナーキックから2発のヘディング弾を決めたイメージが残る人もいるのではないだろうか。

冨安のパフォーマンスは「新しいサニャ」?

 その前はチェルシーのブラニスラフ・イバノビッチも名を連ねるが、やはり注目すべきはアーセナルの先輩にあたるバカリ・サニャだろう。冨安のここまでのパフォーマンスには彼を彷彿とさせる、との声も大きい。

【次ページ】 早くもレジェンドたちと比較されている

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