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《なぜアーセナルは冨安健洋を約30億円で獲得したか》現地イギリス記者の本音は?「トッテナムもトミヤス獲得に本気だったよ」
posted2021/09/11 17:00
text by
ベン・メイブリーBen Mabley
photograph by
Getty Images
今回の移籍の一報を聞いて、私は冨安選手を高く評価していますので率直に「そんな金額(約2000万ポンド)で獲れるのは、かなりおトクじゃないか」というのが最初の印象でした。
冨安選手がシント=トロイデンでプレーしていたころ、私はスカパーでベルギーリーグの解説を務めていました(18~19シーズン)。当時19歳なのに落ち着きがあって、最終ラインのリーダーに近い存在になっていた。現地の記者とも「ベルギーリーグは今シーズン限りだね」(※18年1月~19年7月まで在籍)と話したのを覚えています。
そのあとセリエA・ボローニャに行ってますます成長して、このタイミングでプレミアリーグに行くのは「妥当」だと思います。
アルテタが「トミヤスを熱望した」
では、なぜアーセナルは冨安を選んだのか? これはミケル・アルテタ監督が熱望したからでしょう。1年前にアルテタの肩書は“Head Coach”から“Manager”に変わり、いまは強化部門(=補強)に関してもかなり権限を握っているようです。
テクニカルディレクター(TD)のエドゥとアルテタは「どのポジションで、どういったタイプの選手を補強したいか」を2人で決めます。その内容に沿って、スカウト部門が候補をリストアップ。そこからアシスタントコーチ(スタイフェンベルフとラウンド)がそれぞれの人脈を活かして、リストアップした選手たちのキャラクターを細かく調べるようです。「この人はアーセナルのドレッシング・ルーム(更衣室)でフィットしそうか」「問題児ではなさそうか……」と。そうやって絞り込んで、アルテタが最終的に「この選手を獲ろう」と判断するのがアーセナルの選手獲得の流れになっています。
冨安は性格上も「真面目で問題なし」と判断されたようで、アルテタ監督も「トミヤスはディフェンスラインに、現チームにないクオリティをもたらしてくれる」と期待のコメントをしています。
「(トミヤスは)右サイドバックとして獲った」
日本代表ではセンターバックで起用される冨安ですが、アーセナルでのポジションはどこになるか? 現状では右サイドバックでの起用の可能性が高そうですね。