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「悔しさが一番のモチベーションに」…桐生祥秀に細かく聞いた「どうして“100m9秒台”で走れたのか?」
text by
林田順子Junko Hayashida
photograph byTakuya Sugiyama
posted2021/09/09 11:00
日本人初の100m9秒台を記録し、2017年の「Number MVP」を受賞した桐生
9秒8台という大きな目標を目指して
「次は、9秒8台を狙っていきたい。無理だという人もいるかもしれませんが、それは個人で狙っていることなんで、いけるって気持ちで行くだけです。来年の自分のコンディションがどうなっているかは分からないけれど、いつまでも狙い続ける気力は絶対に持っていたほうがいい。それに少しずつクリアしていくほうが、毎回気持ちを切り替えるのが難しいと思います。だから、9秒8台という大きな目標をボンと立てて、そこを目指して色々なトレーニングに取り組んでいきたい」
――東京五輪での活躍も、期待しています。
「ファイナリストとして勝負できているのが理想ですが、そこに向けて準備していくのも今はまだ早いと思っています。だって3年前の自分は、まだリオ五輪でメダルも取っていなかったんですよ。あそこから陸上界はどんどん変わっていったじゃないですか。ここからさらに3年後となると、どう変わっているのかまったく分かりませんよね。だから、毎年毎年ひとつひとつの大会を目指してやっていくと、そのうちオリンピックがやってくるのかな、と思っています」
松井一晃(本誌編集長)=聞き手
桐生祥秀Yoshihide Kiryu
1995年12月15日、滋賀県生まれ。洛南高校3年時の織田記念100m予選で日本歴代2位となる10秒01を記録。'16年リオ五輪では男子4×100mリレーで銀メダル獲得。'17年世界陸上で4×100mリレーに出場し、銅メダル獲得。'18年4月より日本生命所属。176cm、70kg。