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風間フロンターレに憧れたからこそ… 小泉佳穂は「レッズを質の高いチームに」王者に“0-5の雪辱”を果たしてタイトルを
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byJ.LEAGUE
posted2021/08/31 17:00
3月の対戦で小林悠とマッチアップする小泉佳穂。チーム力が向上している浦和にとって、ルヴァン杯での川崎との再戦は試金石となる
高校、大学時代に「すごく見た」風間スタイル
あれから約半年、個人として、チームとして、どれだけ成長できたのか――。
ルヴァンカップでの対戦は、小泉にとっても、浦和にとっても試金石となるゲームであり、タイトル獲得を目標に掲げている以上、川崎は倒さなければならない相手なのだ。
「リーグ戦の前半戦で5点を取られて負けているので、今回は雪辱を果たしてタイトルを必ず獲りたいと思います」
もっとも、川崎との再戦を小泉が待ち望んでいるのは、リベンジの思いからだけではない。
前橋育英高や青山学院大時代、小泉が食い入るように見て学んでいたのが、ほかでもない川崎のサッカーなのだ。
「風間(八宏)さんが監督になってから、川崎の試合をすごく見ていました。とにかくパスのコントロールとか、シュートの質が高くて、そんなに簡単に点が入っちゃうんだって。こういうサッカーだったら(体格に恵まれていない)自分も輝く道があるかもしれないし、こういうサッカーの中で輝く選手になりたいって」
子供の頃に憧れた小野伸二とは琉球でチームメイトに
子どもの頃に憧れた選手は、浦和のOBである小野伸二だった。プレー集を何度も見返すほど夢中になった。現在、浦和で背負う18番も、かつて小野が浦和で背負っていたものだ。
その一方で、中学、高校時代に憧れていた選手がいる。
川崎のバンディエラ、中村憲剛である。
「伸二さんは子どもの頃のスターっていう感じで、琉球でチームメイトになったのが信じられないくらい。雲の上の存在です。一方、中村憲剛さんは中学、高校時代に、リアルにこうなりたいっていう目標の選手でした」
その中村の“止める・蹴る”の技術が川崎のスタンダードとなり、大島僚太、守田英正、田中碧、脇坂泰斗ら後輩たちがチーム全体の技術力を高めていった。
「だから、本当に1回、練習を見せてもらいたいなって」と小泉は笑う。
とはいえ、川崎の一員になりたいと思っているわけではない。