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“飛び級”U-24で痛感した久保建英、田中碧らとの“違い”とは? 24年パリ五輪を目指すサガン鳥栖の高校生・中野伸哉のリスタート
posted2021/09/10 11:01
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
J.LEAGUE
8月30日から1週間にわたって行われたU-20日本代表候補トレーニングキャンプ。東京五輪が終わって3週間あまり、すでに2024年のパリ五輪に向けた次世代の強化は始まっていた。
そのメンバーの中に、高校3年生ながらすでにプロ契約を結ぶJ1サガン鳥栖のDF中野伸哉(18歳)の姿もあった。
中野は、MF久保建英(マジョルカ)、GK鈴木彩艶(浦和)と共に東京五輪メンバー候補に名を連ねていたパリ五輪世代の1人だ。
「一瞬でもあのチームに居させてもらった身として、純粋に応援している自分がいました。金メダルを取れるチームだと思っていたので、4位は残念でしたが、スペイン戦などを見て『やっぱり上を目指せるチームだな』と思いました」
一方で、同世代がメンバー入りする中で、自分がいない悔しさはなかったのだろうか。
「あの中に入っていても、試合にも多分絡めていないと思います。そもそもレベルが違いすぎて、僕は入れないと思っていました」
「別世界にいるなと感じていました」
今年3月、Jリーグで好調を維持していたサガン鳥栖でスタメンの座をつかんでいた中野は、U-24日本代表に最年少(当時は高2)で選出された。一昨年はU-17W杯にも最年少で選出され、左サイドバックとして全4試合に出場。昨シーズンはクラブ史上最年少出場記録となる16歳11カ月15日でJ1デビューを飾るなど、輝かしいキャリアを歩んできた。
だが、中野にとってU-24日本代表のサッカーは、これまで見えていた世界とはまるで違った。
「トレーニングから“別世界”にいるなと感じていました。それまでJ1でスタメンを張っていたし、やれる自信はあったのですが、それを一気に打ち砕かれたんです」