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《ゴルフ》全英女子オープンの収穫は? レポーター片平光紀が見た渋野日向子の「攻めのゴルフ」と古江彩佳の「強気のパット」
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byGolffile/AFLO
posted2021/08/24 11:00
2年ぶりの王座奪還とはならなかったが、攻めのゴルフを見せた渋野日向子。3日目には一時首位に立った
日本勢最高位となった古江は全英女子オープン初出場ながら、しっかり上位争いを繰り広げた。
4日間のフェアウェイヒット率73%(5位タイ)、パーオン率75%(12位タイ)と、世界トップレベルに引けを取らない安定したショットを見せた。しかし片平は、そのショット以上に「強気のパット」が印象に残ったと語る。
「エビアン選手権(7月22〜25日)の時もそうでしたが、いつもしっかり自分のストロークをしています。ここは入れたいという場面で、しっかり打って決めてきますね」
最終日はティーイングエリアを前に出して、288ヤードのセッティングとなった11番パー4。古江はティーショットを1オンでピン右につけると、約3mのイーグルチャンスをしっかりと沈めた。さらに13番パー3もロングパットも決めてバーディを奪取した。
「18番は3パットでボギーでしたが、しっかり打った結果。弱くて、ショートしたというパットは(4日間通して)ほとんどなかったです。常に強く打てることはなかなかできることではないので、気持ちが強いんだと思います」
エビアン選手権の際、片平は古江とこんな会話を交わしたことを教えてくれた。
「古江選手が『私は緊張しないタイプなんです』と言うので、『トッププレイヤーと回っても緊張しない? 最終日、最終組でもプレッシャーかからない?』と尋ねたら、『そういうの、全然緊張しないんです』と」
エビアン選手権、全英女子オープンという、共に大きなプレッシャーがかかる海外メジャー大会を連戦でこなした古江。それでも臆することなく、「自分のゴルフ」に徹していた。
しかも、今大会は地元のキャディとタッグを組んだ。お相手は米ツアー1年目の畑岡のキャディを務めていたこともあるマイクさん だったとはいえ、ここでも臆することなく英語でコミュニケーションをとっていたという。
「慣れない外国人キャディでも、物おじしてない様子に古江選手らしさを感じました」(片平)
悔やまれる後半のボギー
もったいなかったのは、最終日の15番から4ホールで3つのボギーを叩いたことだろう。
「古江選手はセカンドショットをずっと3番ウッドで打っていました。完璧なショットを打っても、古江選手の飛距離では風がアゲインストだと(距離が長いから)厳しかったです」と片平が振り返れば、キャディのマイクさんも「すごく良いショットを打っていた。これ以上、どうしようもできなかった」と肩を落とした。
古江自身も終盤にスコアを落としたことを悔やんだ。しかし、それ以上に充実感を持ってこの大会を振り返っている。
「始めるときは4日間戦えればいいなと思っていた。まさか、この難しいコースで上位を争えるとは思ってなかったので、すごく嬉しいです」