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《ゴルフ》全英女子オープンの収穫は? レポーター片平光紀が見た渋野日向子の「攻めのゴルフ」と古江彩佳の「強気のパット」 

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南しずか

南しずかShizuka Minami

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photograph byGolffile/AFLO

posted2021/08/24 11:00

《ゴルフ》全英女子オープンの収穫は? レポーター片平光紀が見た渋野日向子の「攻めのゴルフ」と古江彩佳の「強気のパット」<Number Web> photograph by Golffile/AFLO

2年ぶりの王座奪還とはならなかったが、攻めのゴルフを見せた渋野日向子。3日目には一時首位に立った

 だが、その攻めのゴルフがトラブルにもつながった。3日目は13番から4連続ボギーとずるずるとスコアを落とし、最終日も出入りが激しく、1アンダーとスコアを伸ばせずに終わっている。

 試合後の中継局のインタビューで渋野はこう悔しがった。

「今日はバーディ5個取れましたし、まあその分、他の(ボギーやダボ)もたくさん打ってしまったんですけど、その微妙な流れの中でもバーディをとることができる、切り替えられるような状況を自分で作れたっていうのはすごく成長したことかなと思います。でも、それが結果に結びついてないので、まだまだだなと思います」

 海外での次戦は、米ツアーのシード権獲得をかけた12月のQシリーズ(最終予選会)となる。片平は「優勝するかもしれません」と今の渋野の実力に太鼓判を押す。

「ショットの引き出しが増え、グリーン周りのショットの精度も上がっています」

 確かに昨年の全英女子オープンでは初めてのリンクスコースを前に全く歯が立たず、予選落ちを喫した。だが、今年はしっかり戦えた。コロナ禍の影響で米ツアー挑戦が1年延びた間に経験を糧に、着実に成長している姿を見せてくれた。

東京五輪に出場した畑岡、笹生

 また、東京五輪に出場した畑岡と笹生も上位に食い込めなかった。

 畑岡はプロ転向前に立てた「5年以内にメジャー制覇」という目標をまたも達成できなかった。だが、悲観する要素はないと片平は言う。

「(コース)マネージメントが成長していました。ポットバンカーに入ってしまっても、冷静に判断してコース後方や横に出す、とか。感情的に、無理やり打つみたいな無謀なプレーはありませんでしたね」

 東京五輪の練習日にいくつかのアイアンをじっくりテストしたことで、今回は3番アイアンを投入するなど、事前にリンクス対策を練ってきた。過去に出場した3試合では、予選落ち2回、64位タイとリンクスに苦戦をしてきたが、今年は自己最高位となる26位タイ。少しづつ、着実に、結果を出した。試合後の中継局のインタビューでも「これからもメジャーは続いていきますし、試合もたくさんあるので、もっと強くなりたいなと思いました」と先を見据えた。

 笹生は、3日目の途中に痛めた首と肩の影響があったのか、最終日は痛み止めを飲んでのラウンドとなった。「3日目の17番、18番、最終日の1番を見ていたのですが、いずれもフルスイングしていませんでした」と片平も心配する。

 東京五輪の後にスコットランドオープン、そして今回の全英女子オープンと連戦が続いたことで、体に負担は予想よりも大きかったのかもしれない。6月の全米女子オープンを制したメジャー王者とはいえ、まだプロ2年目の20歳。まずはゆっくり休んで、しっかり回復につとめてほしい。

【次ページ】 古江が見せた「強気のパット」

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