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筒香嘉智は3Aで「らしい成績」を残した…「来季志向」パイレーツならチャンスがあるはず〈“先駆者”は田口壮や川崎宗則〉
 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2021/08/16 17:05

筒香嘉智は3Aで「らしい成績」を残した…「来季志向」パイレーツならチャンスがあるはず〈“先駆者”は田口壮や川崎宗則〉<Number Web> photograph by Getty Images

2021年だけでレイズ、ドジャース、パイレーツと渡り歩いた筒香嘉智。3球団目での活躍なるか

 筆者は毎年オフに大阪府や郷里の和歌山県で行われる筒香の記者会見に出席し、何度か質問もした。筒香は、見栄やはったりを使わない性分のようで、質問者の目を見て、訥々と自分の言葉で答えた。堅実で慎重な性格なのだ。そして、同時に「自分で納得しなければ動かない」タイプの選手だとも思う。

ドミニカでのウィンターリーグ参加後の覚醒

 筒香のキャリアのハイライトは、2015年オフのドミニカ共和国のウィンターリーグ参加だと言われる。もともとメジャー志向があった筒香だが、このウィンターリーグでメジャーリーガー、マイナーリーガーと共にプレーした経験が、その後のプレーに決定的な影響を与えた。ちなみにこの時のチームメイトには、今やレッドソックスの花形三塁手のラファエル・デバースもいた。

 ただしウィンターリーグでの筒香の成績は、10試34打7安0本2点 率.206と芳しいものではなかった。この時点では成果があったようには思えなかったが、翌年、筒香はDeNAで44本塁打110打点で二冠王を獲得、一躍NPBを代表するスラッガーになり、侍ジャパンでも中軸を打つようになるのだ。

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 筒香は、打てば響くように、感得したことをすぐに結果に結び付けるタイプではないのだろう。学んだことをじっくりと咀嚼し、徐々に自分の野球に反映させていくのだ。

 MLBに挑戦した2020年は、新型コロナ禍の異常事態であり、試合数は60試合と少なく、対戦相手も限られ、ダブルヘッダーは7イニング制になるなど、イレギュラーな状況だった。今年は162試合制に戻ったが、それでもいくつか制約はあった。

筒香が語っていた独自のトレーニング法

 筒香はそんな中で、奮闘していた。成績が上がらず、移籍もマイナー降格も経験した。しかし、その逆境で何らかの手ごたえを感じはじめたのではないか。

 マイナー残留を選んだのは、その手ごたえを確かめたかったのかもしれない。そして数字が急上昇しているのは、学んだことを実践し始めたのかもしれない。

 筒香は独自のトレーニング法について語っている。当初は先輩、同僚のアドバイスもあって筋トレに励んだが、「センサーが鈍くなったように感じる。自分には合わない」として筋トレをやめ、身体のバランス感覚を重要視し、感度を高めるようなトレーニングに代えた。オフには、子どもたちの前でやって見せたが、ブリッジなどを基本にした独特のものだった。

 ただMLBに挑戦して、そのトレーニング方針に変化があった可能性はあると思う。

【次ページ】 パイレーツは筒香の活躍に注目していた

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