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《ゴルフ》Wメダル圏内で運命の最終日へ…畑岡奈紗の「粘り強さ」と海外メディアも注目の「楽しむ」稲見萌寧
posted2021/08/06 18:00
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Shizuka Minami
五輪女子ゴルフは、2つのメダル獲得に、にじり寄っている。
3日目を終えて通算10アンダーの稲見萌寧(22歳)は首位を走る米国のネリー・コルダとは5打差、インドのアディティ・アショクとは2打差の3位タイ。通算8アンダーの畑岡奈紗(22歳)は首位と7打差の7位タイに付けており、明日の最終日次第では、どちらもメダルに手が届く可能性が出てきた。
日本男子は松山英樹も星野陸也もメダルを逃し、その松山から「男子は獲れなかったから女子たちは頑張って」と、バトンとエールを受け取った稲見と畑岡は、まさに日本のゴルフ史上初となる五輪メダルを、日本の大地の上で勝ち取ろうとしている。
畑岡奈紗「メダルを獲りたい」
スコアを4つ伸ばした3日目のラウンド後、畑岡の表情がようやく輝いた。
畑岡は当初から「メダルを獲りたい」と意欲を燃やし、その気持ちが強かくて「緊張した」という初日は、「持ち味のショットが生かせなかった」と唇を噛んだ。
「メダルを獲りたいという気持ちが強いけど、しっかり自分のプレーをやっていきたい」
2日目は7番から3連続バーディーを奪う見せ場も作った。だが、4バーディー、1ボギーに留まり、「(スコアの伸びが)3つで終わってしまったのは残念」と、やっぱり唇を噛む結果になった。
「本来の1割ぐらい飛んでない。思った球筋に打ててない」と、この日は技術面で納得がいかなかった。
そして何より、独走大勢のコルダとの差が9打まで開き、天候次第では54ホールで競技が打ち切りになる可能性を告げられたことで、2日目終了後の畑岡はメダルが大きく遠のいたように感じて、意気消沈気味だった。
しかし、それでも彼女は「上位との差が開いてますし、なかなか難しいけど、あと2日あると信じて、うまく伸ばしていければ」と気丈に前を向いていた。