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《ゴルフ》Wメダル圏内で運命の最終日へ…畑岡奈紗の「粘り強さ」と海外メディアも注目の「楽しむ」稲見萌寧
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byShizuka Minami
posted2021/08/06 18:00
首位5打差の3位タイで最終日に臨む稲見萌寧。覚えやすい「MONE」の名前は、海外メディアからの注目度も高まっている
米国のTV中継でも、稲見は注目のプレーヤーとして取り上げられ、「モネ」の名前の由来やユニークなプレショット・ルーティーンなどが次々に紹介された。
まさに3日目は「MONE」の名が響き渡り、世界に覚えられ始めた日となった。会見場にも呼ばれたが、それでもなお彼女は「メダルより自分のスコアや順位」と語り、そしてもう1つ、一番心がけているのは「楽しむこと」だと強調した。
「この3日間、楽しく回れて、スコアを伸ばせているし、いい位置なので、明日も楽しんでスコアを伸ばせたらいいなと思います」
稲見が言う「楽しむ」には、「この試合が楽しい。オリンピックの会場で楽しめている。フィールド(出場選手)が楽しい。なかなか出られる大会じゃないので、自分が後悔しないように楽しくやりたい」等々、いろいろな意味があるという。
日本代表の座を渋野日向子や古江彩佳と最後まで競って手に入れた五輪出場権。
「オリンピックは夢の舞台です」
そう語っていた稲見が、いざ立った夢の舞台の最終日に目指す「最高に楽しいゴルフ」とは、果たしてどんなゴルフになるのだろうか。
「一番楽しいのは、自分がスコアを伸ばして順位を上げていくゴルフ。見ている方も、やっている方も、それが一番楽しいと思うんですよね。だから、それがベストかな」
楽しいゴルフを見せて、人々を魅了し、その結果、メダルが手に入ったら、なるほど、それは稲見にとってベストな締め括りになる。そして、日本のゴルフ史上初の五輪メダルが「楽しく回ったら、獲れちゃった」という締め括りは、末代まで語り継がれる楽しい五輪物語になりそうである。