「1イニングをしっかり守り切るというよりは、いいピッチャーが沢山いる中で1つでも多くアウトを取れるようにと思ってマウンドに上がっている。シーズン中とは違って全部抑えるというより、1個でもいいから多くアウトを取ろうと思っています」

　初戦のドミニカ共和国戦では五輪の重圧の中で様々な準備不足から追加点を許して絶体絶命のピンチを招いた。しかしそこを打線に助けられてサヨナラ勝ちで勝利投手となると、その後は調整の仕方をレギュラーシーズンのルーティンに戻してリズムを取り戻した。それが結果的には2日の米国戦ではタイブレークの延長10回を無失点で切り抜け、今度は自分の力で呼び込んだサヨナラ勝ちへと結びつけたのだ。

オールプロでの3度目の挑戦で悲願達成なるか

「やっぱりリリーフ投手の重要性、リリーフのできが勝敗のカギになると思うので、そこのところはしっかりと考えていかなければならないと思っている」

　開幕前にこう語っていた指揮官の予言通りに、この4試合は先発投手が試合を作り、そしてリリーフ陣の力で勝利をもぎ取ってきた4勝だった。

　残るは決勝の1試合。すでに銀以上が確定しているが、選手たちの頭にはもちろん一番綺麗なメダルしかないはずだ。

「日本代表としてはそこを目指してやってきていると思いますし、自分もせっかく代表になったんだったら金メダルを取りたいと思ってここにきている。あと1勝。自分の力を出せる限り出せればいいかなと思います」

　栗林の言う通り「あと1勝」だ。

　オールプロのドリームチームでの3度目の挑戦で、日本がようやく悲願を手にする事になる。

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