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《女子ゴルフ》畑岡奈紗が念願の五輪で目指す「金」、稲見萌寧は日本ツアーの強さを証明できるか…日本勢初のメダルへ
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byShizuka Minami
posted2021/08/03 17:01
互いに東京五輪を心待ちにしていたという畑岡奈紗(右)と稲見萌寧。日本勢初のメダル獲得が期待される
その矢先、7月のマラソン・クラシックを制し、米ツアー4勝目を挙げたことは、五輪への大きな弾みになった。
「このタイミングで勝てて自信になった」
新たな自信を得た畑岡が、日本の期待を背負って戦う東京五輪で、どこまで頑張れるのかが注目される。
フィリピン代表として五輪に臨む笹生とメダルを競い合う可能性は、もちろんある。そうなったとき、今度は畑岡がどんな心持ちで挑み、どんなゴルフを見せてくれるのかに興味が沸く。
そして、笹生のみならず、畑岡の前に立ちはだかるのは、世界ランキング1位のネリー・コルダ(米国)、あるいは世界ランキング上位を占めるコ・ジンヨン、朴仁妃ら韓国勢だ。
初日と2日目のペアリングは、そんな勢力図をそっくりそのまま地で行く組み合わせとなり、畑岡、コルダ、コの3人が8時14分に同組でティオフする。
畑岡の五輪への想いと新たに膨らんだ自信、そして何より、積み上げてきた努力と経験が、霞ヶ関でどんな結果につながるのかを、じっくりと眺めたい。
這い上がってきた稲見萌寧
一方、五輪代表の座を渋野日向子や古江彩佳と最後まで競い合い、ラスト・コールで呼ばれたのが稲見萌寧だった。
18年のプロテストをぎりぎりセーフの20位で突破し、19年はQTランク103位から挑み始めて早々、7月に初優勝。その年の賞金ランクを一気に13位へ上昇させた。20年に2勝目を挙げ、今年はすでにシーズン5勝の快進撃で通算7勝目を挙げている。
そうやって崖っぷちから這い上がり、さらに上昇していく強さと勢い、群を抜くアイアンショットの精度は、稲見の最大の武器であり、魅力でもある。
霞ヶ関CCでの練習が解禁になった7月24日から精力的にコースチェックと練習を積み、男子の五輪競技が行なわれた先週は、日本の女子ツアーの大会、兵庫県で開催された楽天スーパーレディースにホステスプロとして出場し、9位タイになったばかりだ。
試合を終えた1日、すぐさま舞い戻ってきた霞ヶ関では、五輪競技を終えたばかりの松山と接するチャンスがあったそうだ。