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《女子ゴルフ》畑岡奈紗が念願の五輪で目指す「金」、稲見萌寧は日本ツアーの強さを証明できるか…日本勢初のメダルへ
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byShizuka Minami
posted2021/08/03 17:01
互いに東京五輪を心待ちにしていたという畑岡奈紗(右)と稲見萌寧。日本勢初のメダル獲得が期待される
「『男子はメダルを獲ることができなかったから、女子が獲ってほしい』とエールをもらって、嬉しかった」
そう言って喜ぶ姿には、素直さと初々しさが感じられる。
「私の場合、コロナの影響で1年延びたからこそ出場できた」
そう言って感謝する姿には、謙虚さが感じられ、だからこそメダル獲得への強く熱い想いを抱いていることが伝わってくる。
稲見がプロとして世界の舞台で戦った国際経験と言えば、昨年の全米女子オープンや全英女子オープンなど数えるほどしかないが、一方で日本の女子ツアーでは次々に勝利を重ね、圧倒的な強さを見せつけている。
そんな稲見が五輪という国際的な舞台でメダルを獲得できれば、それは、日本の女子ツアーのレベルの高さを実証することにもなる。
かつては、日本一は世界ではほとんど意味をなさなかったが、コース設定の難度も格段に上がり、選手層の厚さが増し、選手たちのレベルが年々上がっている昨今の日本の女子ツアーは、もはや世界一なのではないかと私は感じている。
あえて米女子ツアーを目指さなくても、日本でやれれば、世界でもやれるのではないか。その問いの答えを、稲見が示してくれそうな気がしている。
開催国のホステス選手としてトップスタートのオナー役を授かった稲見は、初日の午前7時30分、五輪女子ゴルフの第1打を放ち、彼女たちの熱い戦いが、そこから始まろうとしている。