冨安が復帰してからはベンチに回ったが、フランス戦とニュージーランド戦ではボランチで途中出場。ペースが落ちてきた周りの分も球際に厳しくいき、ボールを奪取してはチームを落ち着かせる。CBの時とは違い2列目を生かすポジショニングを取りながらゲーム作りをするなど、フレキシブルに活躍できる選手としてチームにとって重要な存在であることを改めてピッチで証明した。

「今までやってきたことをしっかりと出そうと思って挑んでいる大会。そういった意味では、変に慌てることなく落ち着いて対応できているところがいいのかなと。あとは、やはり1対1のところで簡単に打開させないなど、そういう部分では今まで積み上げてきたものを少しは出せていると思います。

　ただ、もっと対人で負けないようにしたいし、どんな強豪国とやっても負けたくない気持ちがある。本当に一瞬たりとも気が抜けない試合がこれからも続くと思う。そういったところで高い集中力を維持することだったり、周りとコミュニケーションを取ることだったりは、引き続きやっていきたい。自分のプレーをチームの勝利とともに見せていければと思います」

冨安「ベンチにいてはいけない選手」

©︎Takuya Kaneko/JMPA

　周りの論調を見ると、どうしても「冨安の不在を埋めた」とする文言が多い。もちろん勝負の世界なので順番を付けられてしまうのは仕方がないことでもある。

　しかし、互いの存在によって成長を促されているのも事実だ。冨安は同じポジションでしのぎを削る板倉に対して自身の思いを口にした。

「もともとベンチにいてはいけない選手だと僕自身は思っている。これからも滉くんと刺激し合いながら、切磋琢磨し合って、個人的にもチームとしてもレベルアップしていければいいと思っています」

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