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板倉滉は“3番手”に満足していない…決勝進出へ向けた運命のスペイン戦「今まで通りチームのために」
posted2021/08/03 11:02
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph by
Takuya Kaneko/JMPA
重圧のかかるPK戦。普段の柔らかい表情とは打って変わり、板倉滉は精悍な雰囲気をまといながらゴールを見据えていた。
「決められる自信があったので、蹴りたいと言いました。ここまで戦ってきたチームメイトの頑張りを無駄にはしたくなかった」
GK谷晃生が相手2人目のPKをセーブ。続いてのキッカーとしてPKスポットに向かう最中、緊張の高まりを感じながら「自分のキックに自信を持ってということだけを考えていました」。
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ボールを置き、「なるべく落ち着いてできるように」と言い聞かせて少し長めの助走を開始。巧みにステップを踏みつつ、相手GKが右に動くのを見て冷静にゴール左へと流し込む。
そして、決まったことを確認し、チームメイトの方を振り向くと気持ちがあふれた。
「っしゃー!!!」
力強い叫びとともに渾身のガッツポーズ。プロに入ってから公式戦で蹴ったのは初めてというPKを見事に決めて見せた。
三好「今まで見たことなかった」
同じくピッチに立ち、川崎フロンターレのアカデミー時代からの同期である板倉のキックを後ろで見守っていた三好康児は、あの場面を笑いながら振り返る。
「シンプルにPKがうまいなと思いました(笑)。あんな感じで蹴っているのを初めて見た。すごく自信を持ってやっていたけど、今までPKを蹴っているのも見たことなかったし、よく落ち着いて決めたなと。本当に心強かった」
結果、板倉のPK成功もあり、日本は準々決勝でニュージーランドを撃破。スペインの待つ準決勝の舞台へと駒を進めた。