酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
侍ジャパン“投打で振り払うべき不安”とは? 慣れたハマスタで絶好調オースティン、猛打爆発で4強韓国がライバルに《記録でメダル争い展望》
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byMasaki Fujioka/JMPA
posted2021/08/02 17:05
オープニングラウンドは連勝で首位通過した侍ジャパン。強敵アメリカを倒してさらに勢いに乗れるか
ドミニカ共和国の20歳、フリオ・ロドリゲスはMLBのプロスペクトランキングで4位という注目の若手だが、9打数4安打の大活躍。メキシコ戦ではライト守備で二塁手と交錯してヒヤッとさせたが、スピード感が抜群だ。またアメリカの21歳、トリスタン・カサスは韓国戦で逆転の2ランホームランを放った。彼もドラフト1巡目だが、こうした若手はオリンピックを足掛かりにスターダムにのし上がるかもしれない。
鈴木誠也とともにカギとなるだろう源田の走力
さて、日本の2試合の戦いについても見ていこう。
日本は2勝でオープニングラウンドをA組1位通過。ノックアウトラウンド初戦はB組1位のアメリカとの対戦だ。打線は2試合とも固定している。
1 山田哲人(指)8打3安1本4点 率.375
2 坂本勇人(遊)9打3安1本2点 率.333
3 吉田正尚(左)8打2安0本0点 率.250
4 鈴木誠也(右)8打0安0本0点 率.000
5 浅村栄斗(一)8打2安0本1点 率.250
6 柳田悠岐(中)7打2安0本0点 率.286
7 菊池涼介(二)7打1安0本0点 率.143
8 村上宗隆(三)7打2安0本2点 率.286
9 甲斐拓也(捕)7打3安0本2点 率.429
2連勝しているから順調ともいえるが、4番の鈴木が無安打1四球のみ。組み替えるとすれば中軸だろう。柳田、あるいは村上が4番でもよいかもしれないが、2試合を見る限り8番に村上がいる意味は非常に大きい。特に9番の甲斐に当たりが出ているので、下位打線に起点ができて、上位につなぐ展開ができていた。もう1試合様子を見ても良いかもしれない。
鈴木に加えてもう1つ、源田壮亮のスピードを活かしてほしいとも感じる。源田はNPB屈指の韋駄天であり、盗塁で試合を動かす可能性がある選手だ。坂本を休ませる意味でも、先発起用があってもいいと思う。
先発はまずまず、平良と栗林、山崎の救援に期待
次は投手陣の成績を見てみよう。
<先発>
山本由伸 0勝0敗6回 2被安打 率0.00
森下暢仁 1勝0敗5回 5被安打 率3.60
<救援>
栗林良吏 1勝0敗1S 2回 2被安打 率4.50
平良海馬 0勝0敗1.1回 1被安打 率13.53
伊藤大海 0勝0敗2回 1被安打 率0.00
山崎康晃 0勝0敗1回 1被安打 率0.00
青柳晃洋 0勝0敗0.2回3被安打 率27.27
先発の山本と森下はともに立ち上がりでつまづきかけた。森下は失点したが、以後は安定感があった。五輪特有のプレッシャーだったと思われるが、2戦目以降は期待できるだろう。
救援陣もまずまずだが、「勝利の方程式」を形成すべき平良と栗林がともに失点したのはやや不安材料か。救援陣のリーダー格である山崎康晃の活躍がポイントになるかもしれない。