Jをめぐる冒険BACK NUMBER
冨安健洋や上田綺世が復帰、主力を休ませつつ“交代枠”も大活躍で3連勝… “順調すぎる一抹の不安”をねじ伏せろ〈五輪サッカー〉
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byYohei Osada/AFLO
posted2021/07/29 17:03
戦力が揃い、3連勝で決勝トーナメントへ。順風満帆だからこそ、再び気を引き締めて準々決勝以降の戦いに臨んでもらいたい
シドニー五輪、南アフリカW杯を教訓に
中田英寿や中村俊輔らを擁した2000年のシドニー五輪では、準々決勝でPK戦の末にアメリカに屈した。本田圭佑や遠藤保仁らの活躍でグループステージを突破した2010年南アフリカW杯も、ベスト16でPK戦の末にパラグアイに敗れている。
グループステージでの熱戦を考えると、「あっさり」とか「あっけなく」という言葉を使わざるを得ないほど、消化不良のままストンと幕が降りてしまったのだ。
だからこそ、次なる相手がニュージーランドということで油断があってはならない……が、今のこのチームにそんな提言は不要だろう。キャプテンの吉田麻也がフランス戦前の心境として、こんなふうに語って気を引き締めていたからだ。
「まだ自分たちは何も成し遂げていない。他の競技でもメダルが確実と言われている選手たちが予選敗退するなかで、もう一回集中して気を緩めずにやろうという話をしている。今日も午後に野球を観ていたら、勝っていたドミニカが、点の取れるところで走らなかったり、自分たちのミスからピンチを招いたり、やるべきことをやらずに崩れていった。良い教訓になったなと」
最善の準備を尽くして、最高の結果を――。
ベスト4を懸けたニュージーランド戦も引き続き、総力戦で勝利をもぎ取りたい。チーム全体がさらなる成長を遂げてこそ、目標とする頂点に到達することができるはずだ。
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