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堂安律「麻也くんの『代表で何点?』に答えたら『すくねーな』と」 五輪直前、“好調からの異変”もメキシコ戦で「期待以上の結果を」 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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photograph byAsami Enomoto/JMPA

posted2021/07/25 11:03

堂安律「麻也くんの『代表で何点?』に答えたら『すくねーな』と」 五輪直前、“好調からの異変”もメキシコ戦で「期待以上の結果を」<Number Web> photograph by Asami Enomoto/JMPA

南アフリカ戦では無得点に終わった堂安律。メキシコ戦で決定的な仕事をできるか

強敵メキシコ相手に「一発決めるチャンス」とは

 南アフリカ戦ではまさにそのスペースを消されたわけだが、メキシコ戦は状況が変わってくるに違いない。

 初戦でフランスを4-1で下したことからも分かるように、メキシコは攻撃力に優れたチームである。キーマンは10番を背負う右ウイングのディエゴ・ライネス。スピードとテクニックを兼ね備えた小柄なアタッカーだ。逆サイドのアレクシス・ベガはセカンドストライカータイプで、ゴール前に頻繁に飛び込んでくる。

 こうした攻撃陣を操るのが、A代表でも中心選手のカルロス・ロドリゲス。元スペイン代表MFシャビを彷彿とさせるプレーメーカーだ。

 戦況に応じて戦い方を変化させるしたたかなチームでもあるが、日本を相手に引いて守るという選択肢はないはずだ。

 だとすれば、ワンタッチシュートを放つうえで必要なスペースも必ず見つかることだろう。

「おそらくメキシコは前から来るだろうという予測をしながら。センターバックとボランチの間に大きなスペースが生まれると考えれば、一発決めるチャンスがあるのかなっていうイメージをしています」

吉田麻也が大会前に寄せていた期待

 相手のGKは世界的な名手、ギジェルモ・オチョアだが、堂安にとっては相手が誰であろうと関係ない。

「もちろん彼が素晴らしいGKというのは誰もが分かっていると思いますけど、誰がGKであっても変わらない。僕たちオフェンスの選手がGKの名前にビビって点を取れないようではダメだと思うので、名前は気にせず、ぶち抜いてやろうと思います」

 これまで08年北京五輪、12年ロンドン五輪、14年ブラジル・ワールドカップ、18年ロシア・ワールドカップと、4つの世界大会に出場したキャプテンの吉田麻也は、このチームで最も世界との戦い方を知る選手である。

 チーム一丸となって戦うのは絶対条件で、過密日程のなかでも可能な限りコンディションを整え、相手チームをしっかり分析する必要もある。そのうえで最後に勝敗を分けるのは――。

 大会前、吉田は堂安に関してこんな期待を口にしていた。

「チームの中心で、チームを背負うような選手になるには、大事な試合で結果を出せるかどうか。特に本田(圭佑)さんは、ここぞというときに力を出す能力が非常に秀でていたと思うので。律とかにはよく話しますけど、そういう選手になってほしいなと」

 そのことは堂安もよく理解している。

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