酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
ドミニカに“元・超大物大リーガー”2人がいるけど… 要警戒は“巨人コンビと若手超有望株”なワケ〈侍ジャパン対戦国分析〉
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2021/07/27 20:01
巨人のローテーションを任されるメルセデス(中央)とサンチェス(右)には要注意だ
監督は今売り出し中のパドレス、フェルナンド・タティスJr.の父親のフェルナンド・タティスSr.が務めるとされていたが、ここへきて若いエクトル・ボルグに変更になった。20代からマイナーリーグのコーチを務めている。
なんと元中日の43歳“あの投手”がいる
もともと投手よりも打者をより多く輩出する国柄だけあって、投手陣は、メジャーで実績のある投手はあまりいない。
MLBの実績で言えば、43歳のラウル・バルデスが7勝、32歳のダリオ・アルバレスが6勝6ホールドしているのが目立つ程度だ。ラウル・バルデスと言えば37歳の2015年に中日に入団し、勝ち星に恵まれない中で粘り強い投球でローテーションを維持した左腕投手。驚くべきことに43歳の今季も現役だ。
メキシカンリーグの投手の中には好成績を上げている選手もいるが、このリーグは今季からMLBの傘下を外れ、エクスパンションも行なったので、レベル的にはやや疑問符が付く。
やはり頼りになるのは、NPBの巨人で活躍する先発のエンジェル・サンチェスとC.C.メルセデスと言うことになろう。C.C.メルセデスはアメリカではレイズのA-が最高レベルであり、実質的にNPB育ちの投手だと言える。
先発ではこれに24歳の大柄右腕のデニー・レイエス、救援ではダイヤモンドバックス傘下のAAAで好投を続ける、がっちりした左腕のジュニオール・ガルシアが期待できるか。
野手には元超大物メジャーリーガーが2人
<野手 ◎はスイッチヒッター、※は左打ち>
超大物メジャーリーガーが2人、ただし2人とも「元」である。また、ドミニカ共和国の野手陣にはスイッチヒッターが非常に多い。侍ジャパンにとってはやっかいなことではある。
<捕手>
チャーリー・バレリオ/30歳 米独立リーグ
11試38打10安1本4点0盗 率.263 OPS.876◎
ロルダニ・ボールドウィン/25歳 レッドソックスAA
29試91打22安1本7点0盗 率.242 OPS.695◎
捕手はインディアンスAAが最高レベルのバレリオとレッドソックスAAのボールドウィンだが、ボールドウィンは世界最終予選で殊勲打を打つなど打撃好調だ。
<内野手>
フアン・フランシスコ/34歳 ウィンターリーグ
今季成績なし※
グスタボ・ヌニェス/33歳 ウィンターリーグ
今季成績なし◎
ディエゴ・ゴリス/30歳 ウィンターリーグ
今季成績なし
ジェイソン・グーズマン/22歳 ロイヤルズA+
33試141打41安4本22点9盗 率.291 OPS.823◎
ホセ・バティスタ/40歳 フリーエージェント
今季成績なし
エリック・メヒア/26歳 ロイヤルズAAA
15試57打13安2本8点1盗 率.228 OPS.648◎
※内野手のディエゴ・ゴリスは、6月にメキシコで行われた東京五輪最終予選の期間中に受けたドーピング検査で大麻の成分が検出されたために24日、代表を外れた。