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《78kg→87kg》吉田麻也が明かす“3年前の体重激増”の真相と超厳しい英国ドーピング事情「日本人選手はフィジカルが足りない」 

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2021/07/21 17:01

《78kg→87kg》吉田麻也が明かす“3年前の体重激増”の真相と超厳しい英国ドーピング事情「日本人選手はフィジカルが足りない」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

プレミアリーグ移籍以降、栄養面や体作りについて多くを学んできたという吉田麻也。今年で33歳となるが「肉体的な衰えはまだ感じていません」

――食について、栄養士から言われてカルチャーショックを受けたことは。

「やっぱり日本人って、炭水化物でお腹を満たしがちですよね。お腹がすいたら、たっぷりお米や麺が食べたくなる。昔の僕もそうでした。でも、ヨーロッパでは炭水化物を取りすぎると筋肉系のケガをしやすいと言われています。もちろん炭水化物は適度に取りつつ、良質なたんぱく質を取りましょうと。脂身の少ない肉や魚を、フルーツなどのビタミンと一緒に食べれば吸収率が上がる。それでも足りない場合は、ご飯をおかわりするのではなく、プロテインをおかわりする。何を、いつ食べればいいのか、とにかく自分で考えるようになりました」

――「いつ」食べるかも大事?

「選手の体にとっては、トレーニング直後の30分間がゴールデンタイムです。だから、練習を終えたらすぐに、プロテインやサプリメントを飲みます。それから家に帰って、きちんと食事する。サウサンプトンではロッカーに、選手ごとにカスタマイズされたプロテインシェイクが置かれていました。『MAYA』と書かれた僕のボトルには、体の状態に合ったプロテインが入っている。選手の食事や体づくりに関する取り組みは、イングランドが圧倒的に進んでいましたね」

――確かに、日本でのトレーニング時にも、吉田選手が練習後すぐにプロテインを飲んでいる姿を見たことがあります。

「プロのサッカー選手が安心して飲めて、しかも効果があるプロテインやサプリメントって、意外と少ないんです。だから最近、『サッカーサプリメント』というサッカー専用のものを見つけて飲んでいます。そうしたら、ハリー・ケイン(トッテナム)やパウロ・ディバラ(ユベントス)をはじめ、プレミアリーグのチームも同じものを使っていた。僕の目に狂いはなかったですね(笑)」

勝敗を分ける終盤のパフォーマンス

――他のプロテインとは、どう違うのですか。

「例えば、トライアスロン選手向けのサプリならば、ゆっくり体に吸収されて、3時間にわたってエネルギーを生み出す。でも、これはサッカーに特化していて、プロやプロを目指す選手向けのものです。砂糖よりも分子が小さいブドウ糖を使うことで、90分のうちにエネルギーを放出できるように作られている。僕の体感では、15分で体に吸収され始めるイメージです。だから、ハーフタイムに飲めば後半のエネルギーになります。

 イングランドに行くまでは、なぜ日本人選手は試合残り15分からパフォーマンスが落ちるのに、欧州の選手はそうじゃないのか不思議でした。ここに、勝敗を分ける差が現われていた。サウサンプトンでプレーするようになって、彼らは効果的にサプリを摂取して、終盤のパフォーマンスを維持していることがわかったんです。僕もいろんなことを勉強して、トライして、自分に合うものをチョイスするようになりました。今、使っているものは『インフォームドスポーツ』というアンチドーピング機構の認証を受けています。プレミアリーグ各クラブが使うサプリも、この認証を受けたものです。だから、安心感もあるんです」

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