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「マインドが変わった。そこがうれしい」沢木敬介がジェイミージャパン欧州遠征を総括…松島幸太朗が生きるポジションとは
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byJRFU
posted2021/07/10 11:03
沢木氏が「いいパフォーマンスだった」と振り返るSO田村優。2023年W杯に向けた10番争いも注目だ
★欧州遠征で光ったプレーヤー
個人で光った選手の名をあげると、FWでは(ジェームス・)ムーア。派手ではないけれど、ワークレートが高く、要所要所でいい仕事をしていた。ベテランの稲垣(啓太)も試合を通じてしっかりしたプレーでゲームを支えていた。
姫野とマツ(松島幸太朗)は、分かっていたけどやはりいい。相手からも危険な存在だと認知されていて、ボールを持つと相手はフリーにさせないように集まってくる。それだけマークされた中でも前に出る力があるからさらにチャンスが広がる。
ライオンズ戦で初キャップ、アイルランド戦で初先発した齋藤も良かった。SHとしてパスやテンポを作るスキルもしっかりしているし、ラック周りでFWをコントロールするのも去年のサンウルブズのときよりも上手くなった。微妙なテンポのコントロール、強弱をつけるところはSHの大切なスキルです。あと、ディフェンスにしっかり行くところもいい。飛ばされる場面もあったけれど、まず行くことが大切なんです。
そして田村優。いいパフォーマンスだったと思います。キックやパスの上手い選手はいっぱいいるけれど、あのプレッシャーの中でそれを瞬時に出せる選手はなかなかいない。優がああいう場面で正確なスキルを出せるのは、そういう練習をしているから。
僕は去年キヤノンに行って、練習を全部、実際のゲームのシチュエーションに近づけるように変えました。全体練習後の個人のスキル練習は、相手のいない状態でやるチームも多いと思うけど、キヤノンでは常に試合のようなプレッシャーを受けた状態で練習している。(シオサイア・)フィフィタのトライにつながったグラバーキックをはじめ、精度の高いキックはそうした普段の練習があって成功していることを伝えておきたい。