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“全11ゴールに絡む点取り屋+司令塔”メッシが無冠返上か、ネイマールの返り討ちか… コパ・アメリカ宿敵決戦がアツい理由
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2021/07/09 17:00
メッシとネイマール。アルゼンチンvsブラジルの伝統の一戦で何かと話題になったコパ・アメリカを締めくくる
あと1点でペレの南米最多代表得点記録に並ぶ
現時点で、チームとしての完成度はブラジルの方が上だろう。しかも、無観客とはいえホームで戦うというアドバンテージがある。アルゼンチンが勝つとしたら、いつになく代表で絶好調のメッシが天分をいかんなく発揮し、ネイマールに格の違いを見せつけた場合に限られるのではないか。
メッシは、この大会の準決勝までの6試合を加えて代表での出場試合数を150に伸ばし、ハビエル・マスチェラーノの147を抜き去った。また、代表での通算得点は76で、南米最多記録であるペレの77にあと1と迫っている(ちなみに、ネイマールの代表通算得点は68)。
ブラジルがコパ・アメリカ連覇を遂げて「南米の絶対王者」と高らかに宣言し、国際大会で10回続けて優勝を逃してうなだれるメッシをネイマールが慰めるのか。
あるいはアルゼンチンが敵地で28年ぶりにタイトルを獲得し、ブラジル人たちに71年前の"マラカナンの悲劇"(1950年の最初の自国開催のW杯で、最終戦でウルグアイに引き分けでも悲願の初優勝達成という有利な状況で、しかも先制しながらまさかの逆転負け。スタンドを埋めた20万人の大観衆を悲嘆に暮れさせた)を再演してみせるのか。なおかつ、メッシがブラジルの至宝ペレが持つ代表の南米最多得点記録に追いつき、さらには追い越すのか――。
7月10日の決勝は、見所が満載だ。
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