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“全11ゴールに絡む点取り屋+司令塔”メッシが無冠返上か、ネイマールの返り討ちか… コパ・アメリカ宿敵決戦がアツい理由
posted2021/07/09 17:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Getty Images
南米の2強ブラジルとアルゼンチン。2013年から4シーズン、バルセロナで一緒にプレーして世界中のファンを魅了したネイマール(パリ・サンジェルマン)とメッシ――。7月10日にリオのマラカナン・スタジアムで行なわれるコパ・アメリカ(南米選手権)決勝は、大方の予想通り、そして期待通りの対決となった。
セレソン(ブラジル代表)は、グループステージ(GS)で攻撃陣が爆発。4試合で10得点を叩き込んで3勝1分の首位で突破した。ただし、準々決勝以降は相手の反則やラフプレーを交えたなりふり構わぬ守備にやや手こずり、チリとペルーにいずれも1-0。それでも、相手に決定機を与えず、負ける要素はほとんどなかった。
ネイマールを支える6歳下のパケタ
エース・ネイマールが、2得点5アシスト。他のアタッカーも好調で、とりわけMFルーカス・パケタ(リヨン)が準々決勝と準決勝で決勝ゴール。いずれも、背番号10からのパスをしっかり決めた。
ネイマールは、「パケタと僕は、試合の度に連係が向上している。彼は、セレソンにとって非常に重要な選手になるよ」と6歳下の若者にお墨付きを与えた。
就任から6年目を迎えたチッチ監督が率いるチームは、守備も堅い。敵陣でボールを失うと、ネイマールを除くアタッカー全員が強力なプレスをかけて相手の速攻を封じる。ボランチのカゼミーロ(レアル・マドリー)、CBマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)らが強固な砦となり、準決勝までの6試合で失点はわずか2。昨年10月に始まった2022年ワールドカップ(W杯)南米予選で6戦全勝で首位に立つが、その好調を持続するのみならず、さらなる進化を遂げつつある。