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またもや登録抹消、巨人・菅野智之の状態が厳しすぎる…東京五輪代表は“本人の決断待ち”か?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySankei Shimbun
posted2021/07/02 17:05
7月1日の広島戦で3回途中4失点、わずか32球で降板した菅野(左)
原監督「自分のことは自分でかなり理解してくれていると思う」
「全ての状態がトモらしくないですよね。中17日空けて、万全な状態で来られないというところでしょうね。僕の中では次の登板は難しいのかな、というのはあります。ブルペンではいいボールを投げていたんですけど、マウンドにいくとちょっとバランスも悪いですし、真っ直ぐもいかないし、すべてに関していいボールもない。もう一度、すべてに関して身体のメカニックを整えないと、というのはあります」
こう語るのは宮本和知投手チーフコーチだ。
「本来の姿にはまだまだ遠いと思いますね。キャリアを持っている人ですから、自分のことというのは自分でかなり理解してくれていると思うんでね。そこは話をして決めたいと思います」
こう語った原辰徳監督は翌日の2日には「再調整」を理由に4度目の登録抹消を決めた。
2019年は投手生命を危ぶむ声も出ていたほどだった
プロ入り後は故障との戦いでもあった。
4年目の2016年に右肘の靭帯を痛めてクライマックスシリーズの登板を回避。精密検査の結果、靭帯のダメージは5段階(5が断裂)の3で一時はトミー・ジョン手術の可能性もあったが、最終的には手術を回避して再生療法で再起に成功した。
また2019年には腰椎分離症を発症。腰の骨の背中側に飛び出している棘突起という骨が折れて、折れた部分の腰椎が腰骨の列から動いて症状を発症する。シーズン中に痛みと痺れが出て、かなり苦しみ、投手生命を危ぶむ声も出ていたほどだ。
しかしその後、奇跡的に折れた棘突起がくっついて分離症も自然と治り問題はなくなった。折れた棘突起がくっつくのは小学生など幼い段階ではあることだが、成人になって“再生”するのは、かなり稀な事象でまさに奇跡に近い復活劇だった。
「そうなんです。今はもう全く問題ないです」