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「何や、アイツら」スペイン代表との卓球バトル、忘れられない“激痛ももかん”…FC東京コンビ東慶悟&永井謙佑が語るロンドン五輪 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byAP/AFLO

posted2021/06/23 11:06

「何や、アイツら」スペイン代表との卓球バトル、忘れられない“激痛ももかん”…FC東京コンビ東慶悟&永井謙佑が語るロンドン五輪<Number Web> photograph by AP/AFLO

ロンドン五輪準々決勝エジプト戦、先制ゴールを決めた永井謙佑(右)と喜ぶ東慶悟。2人は今年5月に揃ってJ1リーグ300試合出場を達成した

永井 オリンピックは中2日。続くモロッコ戦は、スペイン戦の反動があったよね。どうしても体が重いところはあった。

 確かにね。相手のプレースタイルもスペインとは違っていて、どちらかと言うとフィジカル重視。押されながらも失点しない粘り強さが自分たちにあった。そして後半に永井選手のゴール。違うタイプの相手にも勝ち切ることができた。

永井 やっと入った(笑)。

 あのパスは清武選手でしょ。絶妙だったよね。

永井 日本人のGKなら飛び出してこないけれど、海外のチームは出てくる。これはループ以外じゃ無理だと思って打った。バウンドして外れるかもなって思ったけれど、そこまでバウンドしなかったので“俺、持っているな”と思ったよ。

 持ってたね(笑)。

永井 中2日もきつかったけれど、移動もきつかった。延々バスに乗っていた記憶ばかり(笑)。グラスゴーからスタートしてニューカッスル、コベントリー、マンチェスター、ロンドン……。

 イギリスを縦断したからね。戦い方も、みんなで走りまくってという感じのサッカーだったから、それを含めて厳しい条件だったかなって思う。

永井 メシ食って、寝て、移動して、サッカーして、また移動してって、そんな感じだったよね。息抜きもなかなかできない。

 同部屋は誰?

永井 吉田選手。(同学年ということもあって)確か指名されたのかな?

 僕は清武選手。息抜きは卓球とビリヤードだったね。あとマンチェスターで初めて外出して日本食のレストランにみんなで行って。

永井 あれね、覚えている。

 マンチェスター・ユナイテッドに在籍していた香川真司選手が、顔を出してくれたんだよね。外出しての息抜きは本当にそれくらい。

永井の“ももかん”「懐かしい(笑)」

――準々決勝のエジプト戦は永井選手の飛び出しから先制ゴールが生まれ、3−0で勝利します。しかし相手との接触で負傷して途中交代となってしまいます。

永井 あの試合は、“ももかん”をやられた思い出しかないですね。死ぬほど痛いのに、吉田選手に持ち上げられるっていう(笑)。自分もゴール決めて「俺だ、俺だ、俺だ」ってやっていたけれど。

 懐かしい(笑)。でも俺も足首をひねって、何人かで酸素カプセルに入りにいったりしていたよね。だいぶ疲れが出てきていたころ。(準決勝の)メキシコ戦は、ちょっと差を感じたかな。同じ日程だけれど、まだまだ相手は動けそうだったから。

永井 先制したけれど、前半が終わるタイミングでセットプレーから失点して……。点を取りにいったところで3点目を奪われているからそこは仕方ないとしても、メキシコはビルドアップがうまかった。深めにポゼッションしてきて、僕らも疲れているところがあってなかなかボールを奪いに行けなかった。

 自分たちがめざすサッカーの、もうワンランク上っていうくらいの感じがあったね。

永井 結果的に(3位決定戦の韓国戦にも敗れて)メダルは獲れなかったけれど、全部出し切っての4位だったんで、自分としては全然後悔がない。

 自分もそう。正直やり切った感は相当あった。それ以上を求めるのは難しかったのかなとは感じる。でも今振り返ると、メダルはやっぱ獲りたかったなという思いもある。まあでも限界だったなあ。

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