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「彼の言葉が心に刺さったんだ」大活躍マーティンの原点とは? 安田尚憲ら若手の成長にも貢献…すべてはマリーンズのために
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph bySankei Shimbun
posted2021/06/21 11:02
来日3年目で初の月間MVP(3月〜4月)に選ばれるなど、攻守に躍動するレオネス・マーティン。安田ら若手へのアドバイスにも積極的だ
その教えは日本でも変わらない。献身的なプレーの原点はそこにある。そして33歳となった今はその教えを若い選手たちにも伝える事にも力を注いでいる。
「日本に来てからも彼の話を元に若い選手には色々と話をしているつもり。人生は1つの繋がり。鎖のようなものだとボクは思っているんだ。自分が若いころに教えてもらったことをボクが今、若い選手に教える。そしていつかボクが教えたことを今の若い選手が次の世代に教える。そうやって繋がっていくとね」
だからマーティンは気さくに若い選手に話しかける。
開幕から4番を張っていた安田尚憲内野手が結果が出ずに落ち込んでいる姿を見せると、試合後に一緒に室内練習場に向かい打ち込みを行いながら励ました。「打席で自信のない姿だけは絶対に見せるな」と優しくウィンクをしながら言葉をかけた。
その時の事をマーティンは「打席での雰囲気は大事だよ。自信なさそうに打席に立っていると、どうしても投手は分かってしまう。そうすると投手も余裕を持って投げることが出来るようになる。それを彼には教えてあげたかった。だって、彼は4番になる選手だからね!」と笑った。
「大丈夫。彼なら打つよ」
新外国人のアデイニー・エチェバリア内野手がなかなか日本の投手の攻め方に慣れずに苦しんでいるときも寄り添い、配球などのアドバイスをしていた。ナイトゲームが終わり、翌日はデーゲームで朝が早いにもかかわらず室内練習場に一緒に向かい、遅くまで語り合っていた。
「彼が活躍すればマリーンズは強くなる。勝てるようになるよ。大丈夫。彼なら打つよ」
マーティンがそう言った通り、翌5月29日のカープ戦(ZOZOマリンスタジアム)でエチェバリアは来日1号の本塁打を放った。