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得点源ケインと新世代イングランドvs35歳モドリッチ健在のクロアチア EURO恒例“いきなり大一番”が見逃せないワケ

posted2021/06/12 17:03

 
得点源ケインと新世代イングランドvs35歳モドリッチ健在のクロアチア EURO恒例“いきなり大一番”が見逃せないワケ<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

ロシアW杯準決勝でのケインとモドリッチ。EUROで実現するいきなりの再戦はどのような結果となるか

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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Takuya Sugiyama/JMPA

 欧州選手権で初戦から豪華なカードが組まれるのは、ちっとも珍しいことではない。W杯より密度が高いといわれる所以のひとつだ。そして今回のEURO2020でも、のっけから実に楽しみな対戦が用意されている──ロシアW杯準決勝の再現、イングランド対クロアチアだ。

 3年前のモスクワでは、キーラン・トリッピアーの直接FKが右のトップコーナーを撃ち抜き、序盤にイングランドが先制。だが後半にイバン・ペリシッチが右からのクロスを左足のアウトサイドで巧みに決めて同点とすると、延長でペリシッチが競り合ってこぼれたボールをマリオ・マンジュキッチが叩き込み、クロアチアが3試合連続で延長戦の末の勝利を収めて、決勝に進出した。

 その後、クロアチアは決勝でフランスに敗れ、イングランドも3位決定戦でベルギーに屈したが、両国ともにフットボールネーションの完全復活を印象づけ、胸を張って帰国したはずだ。

力関係は3年前から微妙に変化している

 1年遅れのEURO2020の開幕を目前に控える本稿執筆時、両者の立ち位置は微妙に変化している。

 2018年に世界2位となったクロアチアは直近のFIFAランキングで14位、ウィリアム・ヒル社の優勝予想オッズは34倍の10位(32チーム中)と、オランダやデンマークよりも低い。一方、世界4位になったイングランドは直近のFIFAランキングでも同じく4位で、同オッズは6倍の2位(ちなみに1位はフランスの5.5倍)。むろんその理由は、この3年間の両チームの歩みにある。

 ロシアW杯直後の2018-19ネーションズリーグ(NL)で両者は同組となり、イングランドが1勝1分。クロアチアはスペインに0-6の大敗を喫したことも響いて最下位の3位(フォーマット変更で降格はなし)、イングランドは決勝トーナメントに進出し、準決勝でオランダに敗れた。

【次ページ】 ラキティッチらが代表を去ったクロアチアは……

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