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遠藤航が長谷部誠に託された「下の世代の突き上げ」 吉田麻也、酒井宏樹…オーバーエイジ3人に見る“野心の持ち方”
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2021/06/03 11:02
日韓戦での吉田麻也と遠藤航。そして酒井宏樹が加わるU-24日本代表は、どんな化学変化を起こすか
「下の世代の突き上げがないと……」
その対談で、長谷部は遠藤に対して「下の世代の突き上げがないと、日本は強くならない」と発言し、世代交代の重要性を説いたというのだ。同じキャプテンマークを巻く遠藤に対して長谷部らしいメッセージと言えるが、“ブンデスの中盤に君臨する”というキャリアまで似てくるとは当時さすがに想像しなかっただろう。
日本代表の世代交代の象徴の1人となった遠藤。東京五輪世代のU-24日本代表の中でもデュエルの強さと攻守をつなぐ万能性を見せてほしい。
麻也がロンドン五輪後に話したこととは
<名言2>
あいつらが居座っている椅子、狙っちゃおうぜ。
(吉田麻也/NumberWeb 2021年5月21日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/848173
◇解説◇
2012年ロンドン五輪、関塚隆監督率いる日本代表は、メキシコ五輪以来となるベスト4進出を果たした。下馬評こそ高くなかったものの永井謙佑の俊足を生かしたカウンターを軸に、清武弘嗣に宇佐美貴史、東慶悟のアタッカー勢に中盤は山口蛍、両サイドバックも酒井宏樹と酒井高徳、守護神に権田修一らと粒ぞろいのメンバーだった。
このチームをキャプテンとして引っ張ったのは、吉田麻也だった。すでにアルベルト・ザッケローニ監督体制でA代表のレギュラーCBを務めていた吉田は、後ろを安定させる存在として徳永悠平らとともにオーバーエイジ枠でチームに加わった。すると壮行試合で見受けられた課題を主力にズバリと指摘するなど、雰囲気を引き締める役割を果たしたという。
奮戦した日本だが、あと一歩のところでメダルを逃した。その直後、食事会で吉田はこう切り出したという。
「オリンピックは終わってしまったけど、この借りを返せるのは、もう一度みんなと一緒にプレーできるのは、A代表しかない。A代表にいる本田(圭佑)さんとか、長友(佑都)さんとか、内田(篤人)とかは、みんなオリンピックを経てA代表に来ている」
それに続いたのが、冒頭の言葉だったのだ。