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戦力外寸前ヘンダーソンを救い「新たなジェラード」に… ジェラードの“偉大なリバプール主将”継承ストーリー【41歳に】
 

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三重野翔大

三重野翔大Shodai Mieno

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photograph byGetty Images

posted2021/05/30 17:03

戦力外寸前ヘンダーソンを救い「新たなジェラード」に… ジェラードの“偉大なリバプール主将”継承ストーリー【41歳に】<Number Web> photograph by Getty Images

ヘンダーソンにキャプテンマークを預けるリバプール時代のジェラード。両者ともに偉大なるスキッパーだ

 やることはただひとつ。選手たちをまとめ上げ、皆で同じ方向を向く。

 リバプールのキャプテンを務めるうえで、最も単純で、最も難関で、最も重要な仕事。そして何より、ジェラードの後継者となれるほどの男が、9年前には苦しみの底にいたことを覚えているだろうか。

“戦力外寸前”だった男を支えたジェラードの行動とは

 サンダーランドから加入し1年が過ぎた2012年8月。新しく監督に就任したブレンダン・ロジャースによって、ヘンダーソンはフラムに売却されようとしていた。

「あの頃の僕は、真っ暗な闇の中にいたよ」

 今年1月、『The Guardian』のインタビューで当時をこう振り返ったヘンダーソン。22歳で大きな壁に直面していた彼のことを、キャプテンのジェラードは気にかけていたようだ。

 後に作家のドナルド・マクレーが明かしたところによると、ジェラードは母親のリズ・ヘンダーソンの相談に乗っていたという。息子の境遇を心配するリズに対し、ジョーダンの面倒をみることを約束したのだ。

 マクレーは当時のジェラードの様子を、「自身の後継者を見つけたと確信していた」と表現している。

 チームに残るために努力を重ねたヘンダーソンは、次第にチーム内での序列を上げると、ジェラードにとってラストとなった14-15シーズンにはクラブの副キャプテンに。ともに中盤を形成するメンバーとして、キャプテンの隣に立つものとして多くを受け継いだ。

 そしてジェラードが去った後、2019年に彼も掲げたビッグイヤーを、そして2020年には彼が掲げられなかったプレミアリーグのトロフィーを手にしている。

 30年ぶりのリーグ制覇が決まった際、ジェラードは自身のInstagramで自身がヘンダーソンにキャプテンマークを巻く写真とともに「彼以上の人に(腕章を)渡すことはできないだろう。彼を誇りに思うよ」と称えた。

ヘンダーソンがリバプールに加入した時の言葉

 2011年、ヘンダーソンがリバプールに加入したとき、ジェラードはこう語っていた。

【次ページ】 偉大なロールモデルがいたからこその黄金時代

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