「僕はマンチェスター・ユナイテッドが好きなんで、そこでエースになるのが夢です」
「いつかタケフサ（久保建英）と日本代表で2トップを組んで、日本のW杯最高成績を塗り替えたい」

　ギラギラしてないのに、なぜこんなに自信があるのか？　日本サッカーの問題に気がついたことが、確信の土台にある。

「あきらかにおかしいじゃないですか。こんなに日本人が努力して、みんないろいろ考えてやっているのに、W杯でベスト16止まりなんて。世界で一番努力する国が勝てないなんて、絶対におかしい。そう考えて、ふと努力の仕方が間違っているんだと気がついた。体の使い方が間違っている、というのが僕の結論です。『ゆるトレ』に出会い、それを確信した。日本人は体をゆるめる動きができていないんです」

　努力の仕方が間違っている――。逆に言えば、正しい努力をできれば、日本サッカーは大躍進できるということだ。

インタビューで原は「日本代表でタケフサともう一度2トップを組みたい」と語った　©J.LEAGUE

ロナウドは無意識にゆるめて動ける超天才

 『ゆるトレ』とは力まず脱力して体を動かせるようにするトレーニングで、原はプロ3年目からトレーニングコーチの松井達也から指導を受けている。

「海外の超一流選手というのは全身を使って、かろやかに動けている。ネイマールを見ると一般的に足技がうまいと言われがちですが、実際は一瞬のスピードで抜いていることが多いんですよ。ふわっと相手の前に入って抜いてしまう。筋肉じゃなく、骨から楽に動いているから速い。プレーしやすい体の使い方をしているから、サッカーがうまいんです。

　逆に日本人は体を固め、プレーしづらい体の使い方をしている。僕はプロ1、2年目に筋トレをして動きづらい体になってしまい、身を以て体験した。筋トレをしても外側だけが分厚くなり、ただ重くしかならなかった。海外の超一流選手は外側ではなく中心が分厚い」

　原の視点では、クリスティアーノ・ロナウドはレアル・マドリー時代よりマンチェスター・ユナイテッド時代の方がかろやかに動いていた。

「クリスティアーノ・ロナウドの見事な筋肉を見て、みんなロナウドは努力の人だと言いますよね。僕からしたら、ふざけんなって感じ。元々ロナウドはめちゃくちゃ体をゆるく使えていて、きゅるきゅる相手を抜いていた。無意識にゆるめて動ける超天才。僕はレアル時代よりマンチェスター・ユナイテッド時代のロナウドの方が好きです」

「海外の選手は日本人より練習していないんですけど…」

　FC東京時代のチームメイト、久保建英も「ゆるさ」に関してまだまだのびしろがあるという。

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