「タケフサを天才と言ったら本人から絶対怒られますけど、やっぱ天才ですよ。他の日本人選手に比べたら、体をゆるめて動ける。ただ世界には、ゆるい動きに関してさらに優れた選手がたくさんいる。タケフサも『ゆるトレ』をやったら絶対に効果があると思います」

　努力の仕方を変えたら、技術の練習法も変わってくる。

「止める・蹴るといった基本技術はもちろん大事です。ただ、ある程度のレベルまで技術が行ったら、反復練習をすればうまくなるというわけじゃないと思う。さらにうまくなれるかは、イメージ通りに体を使えるかにかかっている。

　海外の選手って日本人より圧倒的に練習してないんですけど、圧倒的に実力があるじゃないですか。イメージと体がつながっているからだと思います。日本では反復練習が当たり前みたいになってしまっているので、その常識を変えた方がいい。体をゆるめて使えたら、止める・蹴るもうまくなる。どれだけ主張しても結果が出ないと説得力がないんで、僕が活躍して『ゆるめる動きの大切さ』を証明したいと思います」

　所有欲より食欲。安定より冒険。そして努力の仕方を疑い、隠された答えを探し続ける。

　Z世代の日本人ストライカーは、古い常識から解き放たれた新しい感覚でヨーロッパのトップに挑もうとしている。

（【前編を読む】「中3の久保建英は別格でした」クロアチアで半年8得点、FW原大智22歳が振り返る原点“タケフサとの2トップ時代”　へ）