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“豪快フルスイングなのに三振せず本塁打量産” オリ吉田正尚はプロ野球70年のデータでも異例すぎ【週刊セパ記録】

posted2021/05/18 06:00

 
“豪快フルスイングなのに三振せず本塁打量産” オリ吉田正尚はプロ野球70年のデータでも異例すぎ【週刊セパ記録】<Number Web> photograph by Kyodo News

田中将大から3ランを放った吉田正尚。これだけのフルスイングなのに三振は少ないという恐るべき打者だ

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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 セ・リーグは1位阪神から最下位DeNAまで15.5差。早くも上位下位が固定されつつある様相だ。これに対しパ・リーグは1位楽天から最下位日本ハムまでが5.5差。混戦が続いている。

 セは阪神が新戦力の佐藤輝明がムードメーカーとなり打線が活性化、投手陣もローテが安定し、首位を快走。本命視する人が多かった巨人は主力に故障者が続出し、波に乗れていない。外国人選手の合流が遅れたDeNAが一人負けし、各チームに白星を進呈している。

 パも本命のソフトバンクがエース千賀滉大らの戦線離脱もあってやや足踏み。楽天やロッテと競り合っているが、前年最下位のオリックスの戦力が充実し、実力差が縮まっている。

 そして今季は引き分けが非常に多く、勝ち星が増えていかない。今週は両リーグ28試合のうち、実に10試合が引き分けだった。この調子が続くとペナントレースの動きは今後鈍くなることが予想される。

 各チームは消化試合数が少ないうちに、できるだけ勝ち星を稼ぐ必要があるだろう。

オリ投手陣は由伸に加えて宮城、山崎も好投

<5月10日から16日の両リーグ、投打の好成績選手>
〇パ・リーグ
打撃 ※RCは打撃の総合指標
吉田正尚(オ)17打7安1本7点 率.412 RC5.81
源田壮亮(西)20打7安1本3点4盗 率.350 RC5.41
レアード(ロ)18打5安4本7点 率.278 RC5.22
柳田悠岐(ソ)19打6安1本4点 率.316 RC5.03
マーティン(ロ)19打5安2本4点 率.263 RC5.00

 後述するが、今週のオリックス吉田正尚は神がかったような活躍を見せた。オリックスは宗佑磨(打率.368 RC4.41)、T-岡田(2二塁打2本塁打RC3.98)と他の打者も好調だった。

 ロッテはレアード、マーティンの両外国人が競争で打っているような印象。レアードはリーグ最多の4本塁打。西武の源田壮亮は打撃好調に加えリーグ最多の4盗塁。通算12盗塁で西武の同僚・若林楽人の16に4差と迫っている。

投手 ※PRはリーグ防御率による総合指標
早川隆久(楽)1登1勝 9回 率0.00 PR3.59
松本航(西)1登1勝 8回 率0.00 PR3.19
加藤貴之(日)1登1勝 7回 率0.00 PR2.79
宮城大弥(オ)1登1勝 8回 率1.13 PR2.19
山崎福也(オ)1登1敗 6.2回 率1.35 PR1.66

 楽天のルーキー早川隆久が16日のオリックス戦で、プロ初完封。投球数はわずか98球。チームの大先輩田中将大をほうふつとさせる省エネ投球だった。オリックスはエース山本由伸に続いて宮城大弥、山崎福也も好投、ローテが安定してきている。

 救援では西武の平良海馬、森脇亮介がともに無失点で2ホールドとチームを支えている。

【次ページ】 田中将大を完膚なきまでに叩いた3ラン

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オリックス・バファローズ
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