酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
佐々木朗希は5回4失点だけど… 大谷、松坂、ダル、田中、カネやんら大エースのプロ初登板とその後の成績はどうだった?
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2021/05/17 17:03
5回4失点ながらまとまった投球を見せた佐々木朗希。彼の潜在能力がどこまで発揮されるか、野球ファンなら注目したい
交代を告げたヒルマン監督にブーイングが!
連続被弾したダルビッシュに交代を告げるためヒルマン監督がマウンドに向かうと、スタンドからブーイングの声が上がった。
初のお立ち台でダルビッシュは「いろいろ迷惑をかけたのでファンの皆さん、選手の皆さんにいつか、しっかりとお返ししたいと思っていた」と頭を下げた。
NPBでMVP2回、沢村賞1回、最優秀防御率2回、最多奪三振3回と大活躍して渡米したダルビッシュはMLBでも最多勝1回、最多奪三振1回。今やメジャーでも大エースだ。
田中将大は自責点6でも黒星はつかず
2006年夏の甲子園は、駒大苫小牧高の田中将大と早稲田実、斎藤佑樹の両エースが決勝で当たり、引き分け再試合の激戦の末に早稲田実が優勝。マー君こと田中将大とハンカチ王子こと斎藤佑樹の人気は沸騰した。
田中将大はこの年のドラフトで日本ハム、オリックス、横浜、楽天から1位指名を受けて楽天に入団。2007年春季キャンプは一軍でスタート、開幕5戦目の福岡ヤフードーム、ソフトバンク戦で初登板、初先発。田中は先頭の大村直之を遊ゴロに打ち取ったものの松中信彦にタイムリー二塁打を打たれて初回1失点、2回には2死は取ったが4安打1四球を与えて57球で降板し、自責点は6。味方が同点に追いついたことで黒星こそつかなかったが、苦いデビューとなった。
しかしこの年11勝で新人王。2013年には24勝0敗の空前の記録を樹立してチームの初優勝の立役者となり、翌年ヤンキースに移籍。6年連続2けた勝利をマークして、今季から古巣の楽天に復帰している。
一方で斎藤佑樹は早稲田大学に進学、大学通算31勝15敗の実績を残し、2010年のドラフトでヤクルト、日本ハム、ロッテ、ソフトバンクが1位指名で競合、日本ハムに入団が決まった。
翌2011年4月17日、開幕5戦目の札幌ドーム、ロッテ戦に初先発。初回、井口資仁に右翼に2ラン本塁打を打たれたが、5回6被安打2三振無四球、失点4自責点1で初勝利を飾った。東日本大震災から1カ月余り、ハンカチ王子の初勝利は明るい話題だった。プロでも「マー君対ハンカチ王子」の名勝負が始まるかとファンは期待したが、斎藤は1年目の6勝が最高で2018年以来勝利がない。
ドラフト前からMLB挑戦を公言していた大谷
2012年のドラフトでは、花巻東高の大谷翔平が指名されるかどうかが注目の的だった。大谷は「MLBへの挑戦」を公言していたからだ。