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【Jリーグ誕生から28年】開幕戦で勝てずに2年の苦戦…“Jリーグのお荷物”と言われた「2つのクラブ」とは?
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2021/05/15 11:03
5月15日は、日本サッカーの歴史が動いたメモリアルデイだ
「リカバリーをしてすぐに試合という日程では、戦術的な修正をする時間がない。それでまた負けて、自信を失ってしまうことの繰り返しだった」と、福田は話した。第1ステージは3勝15敗で最下位に終わり、10日後にスタートした第2ステージも5勝13敗で最下位に沈んだ。
浦和の苦しみは94年も続く。ジュビロ磐田とベルマーレ平塚が加わって12チームとなったリーグ戦で、第1ステージはまたしても順位表の一番下に収まってしまう。第2ステージからは90年W杯で旧西ドイツの優勝メンバーとなったギド・ブッフバルトとウーベ・バインが合流するが、順位をひとつあげるに止まった。代わって最下位となったのは、こちらも93年から下位が定位置だった名古屋だった。
「Jリーグ開幕」で白星発進できていたら……
Jリーグのお荷物とも言われた両チームは、開幕3年目の95年シーズンにようやく負の連鎖を断ち切る。名古屋はベンゲルが、浦和はホルガー・オジェックが監督に就任し、第1ステージから上位に食い込んでいった。
93年の開幕戦で献上した黒星が、2シーズンもの間にわたって両チームに影を落としたとは言わない。低迷の要因は複合的なものだろう。ただ、93年5月16日に白星発進を飾ることができていたら、両チームの歩みは違っていたのかもしれない。