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首位独走・阪神タイガースの裏で再評価される“鉄人の眼力”…金本知憲が描いていたドラフト戦略「最低3~5年後を見ないといけない」
text by
豊島和男Kazuo Toyoshima
photograph byNanae Suzuki
posted2021/05/14 00:00
選手たちを鋭い視線で見つめる金本知憲前監督(写真は2017年)
阪神と前監督が描いていた青写真は実現しつつある。
今年、球団としては47年ぶりに外国人選手以外、すべて生え抜き選手が開幕オーダーに並んだ。入団5年目の大山悠輔は負傷を理由に現在は戦線離脱しているものの、開幕から31試合に4番として出場。5年目の糸原健斗、6年目を迎えた青柳晃洋らの主力を筆頭に5年目の小野泰己、4年目の馬場皐輔、6年目の坂本誠志郎、6年目の板山祐太郎、4年目の熊谷敬宥らが一軍で活躍。また、6年目の高山俊、4年目の高橋遥人なども二軍でスタンバイしている。すべて金本政権で誕生した選手たちだ。
1年を通してアマチュア選手を追う、スカウトの仕事と意見を最大限に尊重しながら「将来の阪神を担う」逸材を数多く指名してきた。
5月13日時点でも阪神は首位に君臨している(25勝10敗2分、勝率.714)。その裏で改めて金本の“眼力”は注目されており、周囲からは改めてスカウト能力を評価する声が聞こえてくる。
「特に糸原や青柳などは、金本監督ではなかったらプロにはなっていないかもしれない」
そう振り返る関係者もいる。
「最低3~5年後を見ないといけない」
金本の言葉通り、期待の若手たちは入団から数年の時を経て確実に“熟成”。阪神は2005年以来となるリーグ優勝を目指してトップを走っている。チームの中心にいる“金本チルドレン”の活躍が悲願達成のカギを握っているかもしれない。
勝利の陰で前監督の功績もクローズアップされている。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。