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高校時代は同性の恋人が「大問題になってしまった」…ラグビー・村上愛梨が“同性婚の自由”を訴え続ける理由
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHaruka Sato
posted2021/05/09 11:02
東京・新宿区の「プライドハウス東京レガシー」でインタビューに応じた村上
「スポーツ界って本当に閉鎖的だから」
新しい挑戦に突き進むなか、ふたをしていた自分自身の内面をオープンにする覚悟が出来た。2019年、国際カミングアウトデー(10月11日)を機にSNSなどで性的マイノリティであることを公表。閉鎖的な世界でもあるスポーツ界で、あえて声を上げることの意義を実感している。
「実際に自分が経験したようなことは、他の人も経験したことかもしれない。そういうことを見て、怖くて言いだせない人もいると思う。私は仲間やパートナーから影響を受け、色んなスイッチが入って発信できた。今度は自分が、誰かのきっかけの一つになればいいなと思います。悩んでいる人に、1人じゃないよ、って。スポーツ界って本当に閉鎖的だから、誰かが声を上げなきゃ何も問題解決にならない。辛かった経験は無駄にしたくない。誰かの勇気になったらいいなと思っています」
同性婚の自由や制度化を訴える活動にも興味を持ち、積極的に声を上げている。村上にとって同性婚は、社会問題であると同時に、自分自身の人生の問題でもある。
「今の彼女と結婚したいって常々思っているので。異性婚を選択できるカップルなら普通にできることでも、同性間では出来ないことがいかに多いか……まずは同性婚についてもっと知ってもらいたい。
関係ない人もある人も、みんなに認知してもらうために自分が発信し続けたい、と思います」
「気持ち的には40歳まで現役でやりたいくらい」
15人制の女子ラグビーは、今年9月にニュージーランドで開幕する予定だったW杯が、新型コロナウイルスの影響で来年に延期された。村上はこの決定を前向きに捉える。昨年11月、胸の骨挫傷を機にCTを取った際、副腎に腫瘍が見つかり今年3月に手術を受けた。現在はリハビリを終え、軽いトレーニングを始めている。