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“NEXTバーディー” が挫折から成り上がり中…「 19歳で6部→6年後イングランド代表」と「12部→2部の196cm砲」、 2人のFWの名は?
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2021/05/02 11:02
ワトキンスはバーディーのような成り上がり大活躍を見せられるか
12月には出場機会を求めて6部相当のカンファレンス・サウスで戦うウェストン・スーパーメアにローン移籍。残留争いに巻き込まれ、直前には監督交代を行っていたクラブで19歳の青年は頭角を現す。
デビュー戦となったホームでのファーンバラ戦でゴールを記録し、スタジアムに集まった約150人のファンに希望を与えた。
当時の指揮官は「アンリのような選手」と
当時のウェストンの監督ライアン・ノースモアは彼を「ティエリ・アンリのような選手」と振り返っている。
「もともとはウイングの選手だったのに、あれほどのフィニッシャーに成長した。彼はすばしっこくて、スペースに入り込むのが好きなんだ。更なる成長の可能性がある。18~19歳の頃に、ノン・リーグのクラブたちが試合で彼を活かさせまいとして話題になっていたことを忘れてはいけない」
他クラブに警戒される存在となった青年は3トップの左を主戦場に25試合出場、10ゴールを挙げる活躍でチームを6部残留に導いたのだ。
武者修行から苦節5年半、晴れてトップカテゴリーへ
ノン・リーグへの武者修行はワトキンスを大きく変える。エクセター復帰後の15-16シーズンは序盤こそ熾烈なレギュラー争いに苦しんだものの、12月にエクセターでの初先発を飾ると、3月以降は前線のファーストチョイスに。先発に定着して以降の15試合で8ゴールを記録した。
翌16-17シーズンはセンターフォワードとしての起用が増え、リーグ戦45試合で13ゴール。3部昇格を懸けたプレーオフでも3試合2ゴールを挙げた。チームの昇格は叶わなかったものの、このシーズンの活躍がチャンピオンシップの目に留まる。
2017年7月にブレントフォード移籍。2部へのステップアップを果たすとすぐさま左右のウィングで主力の座を勝ち取り、初年度から2季連続で10ゴールをマーク。そしてセンターでレギュラーとなった19-20シーズン、昇格PO含む全49試合に出場しリーグトップタイの26ゴールで一躍イングランド中にその名を広げた。
プレーオフ決勝で惜しくも敗れたものの、優秀な成績を残したワトキンスにはプレミアリーグのクラブから声が掛かった。同シーズンでギリギリ残留を果たした古豪アストンヴィラだ。ノン・リーグへの武者修行から苦節5年半、晴れてトップカテゴリーへの挑戦権を手にした。