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“NEXTバーディー” が挫折から成り上がり中…「 19歳で6部→6年後イングランド代表」と「12部→2部の196cm砲」、 2人のFWの名は?
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2021/05/02 11:02
ワトキンスはバーディーのような成り上がり大活躍を見せられるか
現在2部カーディフに所属するキーファー・ムーアだ。すでに2019年にウェールズ代表としてデビューを飾っているが、彼もなかなかの苦労人だ。
イングランド南西部デボン州で生まれたムーアは12歳の頃、所属していた地元のクラブのアカデミーが廃止になった。その後、12部相当のサウス・デボン・フットボールリーグでキャリアを始める。
土日はフットボール、平日はトレーナー
20歳で6部のトゥルーロ・シティとトライアルの果てに契約。12-13シーズン途中で同じ6部のドーチェスター・タウンに移籍するが、土日はフットボールの試合をこなし、平日はライフガードやパーソナルトレーナーとして働く生活を1年続けた。
過酷な毎日を送りながらこのシーズンで20ゴールを挙げる活躍を見せると、シーズン終了後に当時チャンピオンシップのヨービル・タウンのトライアルに合格する。
1年で12部から2部への栄転をし、アルバイト生活からも抜け出したムーア。プロの世界はそんな彼に残酷な現実を突きつける。
13-14シーズン、ムーアは20試合4ゴールに終わるとチームも3部に降格。翌シーズンは3部で30試合3ゴールに終わり、クラブは結果を残せなかった彼の放出を決めた。
その後はノルウェー1部のバイキングに移籍したが、この挑戦も9試合0ゴールで失敗に終わる。
そして再びノン・リーグの世界へ。15-16シーズン途中に当時5部のフォレスト・グリーンに加入した。しかしその後もなかなか発奮しないムーアは2016年11月に「28日間のローン」という珍契約で5部トーキー・ユナイテッドに移籍する。
後に自身で「トーキーでの1カ月間は僕にとっての大きなターニングポイントだ」と振り返っている。この28日間で4試合5ゴールと大爆発すると、ローンバックからわずか1カ月後、2部イプスウィッチからオファーが届いたのだ。
再び手にした2部挑戦は11試合0ゴールと失敗したが、翌17-18シーズンに3部ロザラムで前半戦だけで13ゴールを挙げ、冬に2部バーンズリーに移籍。1年半で23ゴールを稼ぐと、ウィガンを経て、今季から母国ウェールズのカーディフでプレーしている。