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原監督が望んだ「本当の意味でのパワーヒッター」がついに巨人に…「5番スモーク」は打倒ホークスへの起点となるか
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2021/04/30 11:40
4月28日のヤクルト戦、3回無死、スモークが右越えに来日初本塁打を放った
「そうですね。やっぱり対応力というかね、非常にありますね」
一発ばかりでなく本塁打の後も右前安打に左翼への二塁打と3安打の猛打賞に、試合後の原監督のコメントは控えめだった。
原監督「やっぱり外国人の差はかなりあると思う」
コロナ禍で戦線離脱していた丸佳浩外野手にゼラス・ウィーラー、中島宏之、若林晃弘の3人の内野手も復帰した。さらに新助っ人の加入。もう1人の助っ人、エリック・テームズ外野手が、初出場のヤクルト戦でいきなり右アキレス腱を断裂。今季絶望となるアクシデントはあったが、それでも打線はようやくフルメンバーが揃ってきた。そうして原監督の大目標に向かって、今季のチームがいよいよ静かに動き出したということだ。
「やっぱり外国人の差はかなりあると思う」
指揮官がこう分析したのは、昨年の日本シリーズ、いやこの2年間でソフトバンクに喫した8連敗の屈辱を振り返ったときだった。
「ここのところのジャイアンツには、本当の意味でのパワーヒッターの外国人がいなかった。去年の途中からウィーラーが頑張ってくれたけど、彼だって本当の意味でのパワーヒッターじゃない。でもソフトバンクには2人、本当のパワーヒッターがいましたよね。彼らがいることで、ソフトバンクの打線にはいい相乗効果がある。
我々もそういう外国人を最低でも1人、本音を言えば2人入れたい。そのパワーヒッターが入れば相乗的に岡本(和真内野手)にしても、丸にしても、坂本(勇人内野手)にしても、また違った形で上がっていくと思います」
その1人がスモークだった訳だ。
ソフトバンクと巨人の外国人選手のパワーの差を痛切に感じたのは2年前、2019年の日本シリーズだった。